「シェアハウスした芸人仲間は一人ずついなくなり…」 ザ・マミィ林田が振り返る「痛いほどに東京」な日々
僕は東京が好きなのだろうか?
芸人仲間とシェアハウスをした。よく行った近所のファミレスを気に入ったのは、近いからでも奇麗だからでもドリンクが豊富だからでもなく、24時間営業だから。いつでもネタを作れるから。いつかみんなで売れると信じていた。でも、東京を流れる時間は全然僕たちを待ってくれなくて、何度も無責任な大丈夫をぶつけたけど、一人の心が折れて、また一人の心が折れて、一人ずつ家を出て行って、もう使わなくなった大きいホットプレートを奥にしまった頃、僕たちコンビは軌道に乗り始めていた。思い描いていた景色とはまるで違うが、あの日々も東京。物すごく東京。痛いほどに東京なんだ。
今なら分かる。東京にはたくさんの人の気持ちが積もっている。
僕は東京が好きなのだろうか。分からない。でも、あの日見た無数の光が、そしてその中心にそびえ立っていた東京タワーが、今は古い友人のように感じる。側に寄り添ってくれている気がする。僕はそのことが誇らしい。
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