五輪は本当に大切? マラソン・新谷仁美が「代表選考レース」欠場へ…「彼女の速さへの欲求はメダルより尊い」

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 1月15日にヒューストンマラソンで女子の日本歴代2位となる2時間19分24秒をマークした新谷(にいや)仁美(34)が、10月に行われる2024年パリ五輪代表選考レース「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)」を欠場すると宣言した。

 奇行や珍言で知られる新谷だけに、今回の発言もどこまで本気かは怪しいのだが、

「歴代2位で“悔しい”と涙した彼女は、本気で日本最高記録を狙っています」

 と全国紙陸上担当記者が彼女の気持ちを代弁する。

「次は、世界で最も記録が出やすいベルリンマラソンに出走予定です。でも、9月に行われるベルリンと10月のMGCの両方に出るのは不可能。なので後者を捨てることにしたわけです」

 キプチョゲの世界最高記録も、野口みずきの日本最高記録もベルリンで出た。対して、東京で行うMGCは、折り返しが多く、ペースメーカーもいないため、好記録は期待できない。

「所属先の積水化学は広告塔として彼女に五輪を目指してほしいはず。五輪代表の方がはるかに世間の注目を集めますからね。そりゃあ、日本最高を出したら、歴史に名を刻めますよ。でも、騒がれるのはその時だけ」

「メダルより尊い」

 五輪は、陸上いやスポーツ界最高の舞台ではないか。高橋尚子が国民栄誉賞を受賞したのはシドニー五輪で金メダルを取ったからで、日本記録更新では国民栄誉賞はもらえないだろう。ただ、

「彼女の“より速く走りたい”という根源的な欲求は、メダルより尊い気もします。コロナ禍で東京五輪の存続が議論された際も、新谷は他のアスリートと一線を画し『国民が反対なら五輪は不要』と発言した。汚職や談合が次々と暴かれ、五輪ブランドが地に堕ちた今、新谷のように五輪至上主義を捨てるアスリートが続出するかもしれません」

 もっとも、陸連関係者は、

「MGCで決まるのは代表3枠のうち2枠で、MGCに出なくても残る1枠に入る可能性はある。もしや新谷はそれ狙いで、五輪と記録の両取りをしようとしているのかもしれませんよ。

週刊新潮 2023年2月23日号掲載

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