「死の産科」の妊産婦死亡率を劇的に変えた医師の悲しい人生――無理解な同業者の非情

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 年頭の記者会見で岸田総理が「異次元の少子化対策に挑戦する」と声を上げたが、それに先立って今年の4月から出産一時金が42万円から50万円に上がる。

「お産のリスク」を考えると政策としてはまだまだ足りないという声もある一方で、出産が命懸けだと言うのは大げさだという反発もあるようだ。

 確かに、現代において医療と公衆衛生の発達によって出産で亡くなるリスクは大幅に低下している。2020年の「人口統計資料集」によると、日本の10万人あたりの妊産婦の死亡数は2.7人、パーセンテージで言えば0.0027%だが、そこに至るまでの道は長かった。...

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