神戸山口組組長宅の銃撃事件犯初公判で判明したコントみたいな逮捕までの流れ

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その忙しい原因を作った張本人です

 その後の林被告の動きと、それに対する当局の対応はどこか牧歌的だ。いささか不謹慎ながらすれちがいコントのような展開なのである。

「林被告が近所の鈴蘭台交番に出頭する前にパトカーにすれ違ったものの、警官は林被告に気づかなかったそうです。出頭した交番にいた2人の巡査も“いま(銃撃の件で)忙しいから”後にしてくれと言ったところ、“その忙しい原因を作った張本人です”と伝えて、巡査の1人に大変驚かれたということでした」(同)

 ところで、竹垣氏によれば、かつては銃撃を受けた方が、薬きょうなど証拠品を当局よりも先に回収することで知られたという。

「私が過去に関係した案件もそうでしたが、以前は襲撃や銃撃を受けることが恥ずべきこととされており、そのことを糊塗(こと)するために、やられた方がその証拠をネグるようなことが少なくありませんでした。だから露見する抗争事件は実態より少なかったはずです」(同)

 井上組長を辞めさせようとする作戦としてはあまりに不十分だったように映るが、殺人未遂など重い罪状に問われることがなかったのは、本人にとって不幸中の幸いだということになるだろうか。

デイリー新潮編集部

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