神戸山口組組長宅の銃撃事件犯初公判で判明したコントみたいな逮捕までの流れ

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2代目川合組・組長の舎弟

 神戸山口組の井上邦雄組長の自宅に17発もの銃弾を撃ち込んだ男の初公判が2月16日に神戸地裁で行われ、男は起訴内容を認めた。犯人の狙いは何だったのか? 元山口組系義竜会会長の竹垣悟氏(現在は、暴力団組員の更生を支援するNPO法人「五仁會」を主宰)が解説する。

「事件発生は2022年6月5日のこと。神戸市北区にある神戸山口組・井上邦雄組長の自宅に拳銃で銃弾17発を発射し、門を破壊するなどして銃刀法違反や建造物損壊の罪などに問われているのが林雄司被告(50)です」

 と、担当記者。竹垣氏に解説をしてもらうと、

「林被告は6代目山口組の4次団体・2代目川合組の北村和博組長の舎弟とされています。2代目川合組の上部組織は3代目弘道会・野内組で、北村組長は野内組の若頭を務めています。3代目弘道会は言うまでもなく6代目山口組の中核組織であり、野内組の野内正博組長はその弘道会の若頭といえば、その位置付けが理解できると思います」

クルマから落ちた被告

 林被告は、その初公判で起訴内容を認めた。被告人質問で「拳銃は自分で用意しました。井上組長が辞めれば抗争は終わると思った」と語っている。

「林被告は17発を発砲する間に3度、弾を詰め替えています。そして、ワンボックスカーの上に乗って塀を乗り越えようとしていました。防犯カメラにその模様がしっかりと映っており、もちろん井上組長もそれを見ているわけですが、彼にとっても“不思議な動き”と思われるものがあったそうです」(同)

 ワンボックスカーにのぼった林被告が、クルマから落ちてしまうシーンがあったのだ。

「どうやら塀を飛び越えようとして、それがうまくいかなかったんですね。塀を乗り越えて井上組長の面前に迫り引退を迫るということも頭にあったのかもしれません」(同)

 落ちたのは不本意だったかもしれないが、もしも塀の飛び越えに成功していたら、より重大な犯罪に発展したかもしれない。
林被告が起訴されたのは銃刀法違反と建造物損壊の罪だが、仮に井上組長の眼前に迫っていたなら殺人未遂などより法定刑の重い犯罪に問われていた可能性がある。

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