市原悦子は「お行儀よくカタチにハマるのが嫌い」だった 今も語り継がれる「翔べ!必殺うらごろし」の怪演

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 ペリー荻野が出会った時代劇の100人。第18回は、市原悦子(1936~2019年)だ。

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 初めて俳優・市原悦子の時代劇の芝居をライブで観たのは、1982年、名古屋・御園座で上演された「近松心中物語」であった。

 元禄の世。飛脚問屋の生真面目な養子・忠兵衛(平幹二朗)は、大坂新地の遊女・梅川(太地喜和子)と離れがたい間柄となり、恋敵と張り合った挙句、預かり金の封印を切ってしまう。一方、幼なじみの忠兵衛を助けたことで小傘問屋の婿養子・与兵衛(菅野忠彦[現・菅野菜保之])と彼の妻・お亀(市原悦子)にも悲劇が……。...

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