移住者への“七か条の掟”で話題の池田町 移住者のリアルな声「目的の分からない草刈りが」

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 福井県池田町が移住者向けに示したお触書(ふれがき)が、全国区の話題となっている。「都会風を吹かすな」など、新参者には村八分も辞さずの態度が垣間見えるからだが、池田町のとある集落の元区長や移住者に話を聞くと、双方の埋めがたい溝が改めて見えてきた。

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 騒動は、池田町が1月中旬に発行した広報誌に「池田暮らしの七か条」なるものを掲載したことに始まる。移住者への心得を記したものだったが、その仔細が今月8日にメディアで報じられるや、物議をかもしているのだ。

 特にSNSを中心に批判を集めているのが、以下のような“掟”である。

〈これまでの都市暮らしと違うからといって都会風を吹かさないよう心掛けてください〉

〈どのような地域でも、共同体の中に初顔の方が入ってくれば不安に感じるものであり「どんな人か、何をする人か、どうして池田に」と品定めされることは自然です〉

 町は特設サイトを作り移住者獲得に熱心だっただけに、手のひら返しでは? との批判もあるのだ。

「わざわざ文字にしなくてはいけないほど困っている」

 池田町へは年間20人前後が移住して来るが、人口は約2300人。県内で一番人口が少ない自治体で、総面積の9割が山林という。冬はお隣の岐阜県へつながる国道が閉鎖されるほどの豪雪地帯である。

 雪下ろしでも助け合いが欠かせないだけに、地元ルールを明文化する必要があったと訴えるのは、さる集落の元区長だ。

「町には33の集落があり各々に区長がいます。七か条は区長らが1年かけて推敲し作りました。バッシングを受ける懸念はありましたが、我々にとっては当たり前のこと。大都会の人たちには分からないかもしれませんが、それをわざわざ文字にしなくてはいけないほど困っているのです」

 大半の移住者は地域に溶け込むが、一部であつれきがあるとして元区長はこう嘆く。

「集落ではゴミ捨て場を奇麗に使おうと当番で掃除をしてきた慣例がある。なのに移住者の中には“税金を払っているから掃除なんて関係ない”と考える人もいて、草刈りにも参加しない。出られない場合は数千円を払ってもらい免除する集落もあるけど、我々はお金より人手が欲しいのです」

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