「狛江90歳女性殺害」捜査関係者が明かす「狙われた理由」 「闇名簿」に名前が載る基準は?

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個人の対策には限界?

 防犯意識の高まりは幸いだが、それでもなお、住まいに押し入られてしまったらどう対処すればいいのだろうか。

 前出の濱田氏は次のようにアドバイスする。

「何らかの方法で外に通報する仕組みを準備していただくのが重要なのかなと考えています。簡易的には、携帯の“よく発信する相手”に110番を登録しておく手があります。ただし、この方法は発信に気付いた犯人を逆上させ、かえって危険な状況に陥る恐れがあることを忘れてはなりません」

 そこでお薦めだと言うのが、警備会社のホームセキュリティー・システムだ。

「緊急ボタンが契約世帯に配られていますので、万が一の際には犯人に見つからないように、それをこっそり押すだけでいい。すぐ対応部署に通知が飛び、そこから最寄りの警察への通報も自動的になされる。しかも、これは音が鳴らない。相手に悟られずに通報することが可能なのです」

 もっとも、個人で講じることができる対策にも限界がある。先の清永氏は、

「お隣の家との情報共有や日常的な声がけという共助の意識。これを近所の人と持ってほしい。相手は行動確認などをした上でターゲットの家に侵入します。不審者を見かけたら“何をしているんですか”と声をかけるだけで有効なのです。そうすることで犯罪は大幅に抑止できる。声をかけるのが怖いという人は、110番通報をするというのも一つの手です」

 最後は「ひと」と「目」と「つながり」こそが防犯策になるというのである。

週刊新潮 2023年2月23日号掲載

特集「新たな『ルフィ』から『生命・財産』を守れるか」より

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