「狛江90歳女性殺害」捜査関係者が明かす「狙われた理由」 「闇名簿」に名前が載る基準は?

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換気するときも要注意

 前出・吉川氏は言う。

「無用と思えるアンケートには答えない、資産や居住実態、生活パターンなどをむやみやたらに他人に話さない、通販業者に対しては収入などの“余計な”情報を伝えないようにする。こういうことがまず重要」

 つまり、ひとまずは名簿への掲載を避ける手立てを考えることだというが、次のような“盲点”をも見落としてはならないという。

「見栄っ張りなきらいのある人は、特に気を付けていただきたい。というのも、SNSで“ハワイに来た”とか“外車を買った”とか自慢気に発信している人が少なくないからです。そうした情報から犯罪者が、資産や生活の状況を把握する恐れは大いにあります」

 さらに「セコムIS研究所」研究員の濱田宏彰氏が、窃盗犯や強盗犯に狙われた場合を想定して語るには、

「窃盗犯は5分で家に侵入できないと、大体7割ぐらいが諦めて去るという統計があります。多くの泥棒が諦めるまでの5分を稼ぐことが肝要です。窓を強化ガラスに替えて割られにくくするとか、鍵を最新式に取り換え、ピッキングされにくくするといった対策が考えられるでしょう」

 さらに続けて、

「最近は、空き巣ではなく、在宅時を狙う手荒な犯罪の割合が増えています。在宅中だと安心していたら賊に押し入られるケースがある。ですから、常に施錠はしていただきたいし、窓の無施錠もやめるべきです。特にコロナ禍の影響で、目が届かない部屋の窓まで換気目的で開けっぱなしにする人がいますが、その窓から泥棒に入られるリスクが生じます」

「“覚悟を決めた強盗犯”の侵入を防ぐのは困難」

 ただ、強盗犯については通常の侵入対策では難しい面もあるそうだ。

「“覚悟を決めた強盗犯”の侵入を防ぐのは容易ではありません」(濱田氏)

 この点、元警察庁犯罪予防研究室長でステップ総合研究所特別顧問の清永賢二氏に解説願うと、

「今回の連続強盗犯などもそうですが、時に彼らは、防犯カメラが設置されていても気にせずに犯行に及ぶのです。実際、英国でも2000年代から防犯カメラによる犯罪抑止効果が薄れているといわれています。防犯カメラは“映った犯人を追いかける”など事後的には役立つものの、もとよりカメラには死角が生まれますから、カメラがあっても映るとは限らない。だから犯罪は止められないというのです」

 打つ手はあるのか。

「まずは、しっかり鍵をかける。その上で、家と家の間の隙間に鉢植えを置くとか、ラティス(つるなどを生い茂らせる柵)を壁に立てかけるといった対策などが有効です。泥棒は家と家に挟まれたわずかな隙間を足場にして入り込んできたりします。だからその隙間を埋めてしまうのは、とても効果があるのです」

 もちろん、防犯グッズも有効だ。賊たちはネズミと同様に「音」と「光」を嫌がるという。「音」に関する商品を扱う「株式会社丸広」に聞いた。

「うちの『防犯ジャリ』は、庭に敷くだけで、歩くとジャリジャリ音がするようになります。猫も歩きたがらないくらいですから、当然、泥棒除けになります。過去に、ある地域で複数の家がピッキング犯に狙われた際、わが社の砂利(じゃり)を庭先にまいていたお宅だけが被害に遭わなかったという成果報告もあります。ルフィ事件の影響でしょうか、今月になって問屋さんからの発注も増えています」

 防犯グッズの売れ行きは全般的に好調のようで、別の会社も、

「窓枠に付ける防犯アラームや補助鍵が現在、品薄の状態です」

 と言う。

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