「除名」に向けてカウントダウン! 「ガーシー」vs懲罰委 焦点に浮上する「歳費」返納と「サロン収益7億円」没収
票を投じた有権者も「共犯」
現在、警視庁が捜査を進めるガーシー氏に対する名誉棄損や威力業務妨害容疑の舞台ともなった自身のYouTubeチャンネルでも「昨年7月にBANされるまでに少なくとも5000万円以上の収入を手にした」(同)とされ、警視庁が“違法収益”に該当する可能性を捜査中という。もし犯罪行為から得た収益と認定されれば「没収」などの可能性も浮上している。
山場を迎えつつある“ガーシー騒動”について、政治アナリストの伊藤惇夫氏はこう話す。
「国会議員の最大の仕事は、言うまでもなく国会活動にあります。有権者から負託を受けた議員は本会議に出て、一つひとつの法案等に対して自ら投票して賛否を明らかにすることが活動の基本となる。そんなことすらできないなら、最初から立候補すべきでなく、除名への瀬戸際に立つガーシー氏を擁護できる点はありません」
ただし問題の本質は、ガーシー氏個人にとどまるものでないという。
「ガーシー議員の誕生は、彼の知名度を目当てに比例候補に擁立したNHK党と、実際にガーシー氏に投票した有権者らとの共犯関係があって成立しており、彼に一票を投じた有権者の責任も重い。その背景には“バズれば偉い”や“目立てば勝ち”といったネット社会の価値観が、政治の世界にも波及し始めている現実があります。政策や実績などよりも、偏った価値観が投票行動に影響を与えるようになった理由を政治の世界の住人は真剣に考えるべき。日本を覆う閉塞感の正体は何か。根底にあるものの一つは“政治も社会も変わらない”といった諦めや不信の気持ちです。“非力すぎる野党”や“機能不全に陥る国会”など一連のガーシー現象は政治に対する強烈なアンチテーゼと捉えるべきです。政治家の側がそれを理解しなければ、今後、“第二、第三のガーシー”が登場してくるのを防ぐことは叶わないでしょう」(伊藤氏)
ガーシー議員を永田町から追放すれば万事解決――とはいかないようだ。