1日大さじ2杯のお酢で驚異の健康効果が! 高血圧、糖尿病を劇的予防、飲むだけで運動と同じ効果?
2週間お酢を飲み続けると、短時間で血圧を下げられるように
〈スーパーに行けば500ミリリットル入りが150円程度で手に入る穀物酢。そんな庶民派調味料が力を発揮する機能の一つが「高血圧」予防だ。〉
これまでの研究で「酢酸」には、アデノシンという物質を生み出して血管を拡げる働きと、高血圧の原因の一つとなるホルモン系の活動を抑制する働きがあることが分かっています。
実際、2003年に血圧が高めの男女64名を二つのグループに分け、こんな実験を行ったことがありました。一方のグループにはお酢15ミリリットルを含む飲料を、他方にはお酢を含まない飲料を10週間、毎朝飲んでもらうのです。結果は、被験者のうちお酢を含む飲料を飲んでもらったグループの約7割に血圧の低下がみられました。平均低下率は最高血圧が6.5%で最低血圧は8.0%。お酢を飲み始める前の血圧が高い人ほど大きく低下し、いずれの人も最高血圧が120~130mmHgと健康的な血圧まで下がると、それ以上は下がりませんでした。
さらに別の研究によって、このお酢の降圧作用には“急性の効果”と“慢性の効果”があることも分かっています。
例えば2週間程度お酢15ミリリットルを含む飲料を摂取し続けた人だと、飲んだ後、2時間程度という短時間で血圧が下がる“急性の効果”が確認できました。これを応用すれば、血圧が上昇しやすい時間帯を狙い撃ちしてお酢を飲むこともできます。例えば、夜中に血圧が高くなりやすい人は就寝前に、午前中に血圧が上昇してしまう人は起床後すぐにお酢を飲めば、ピーク時の血圧を下げる効果が得られるのです。
服薬を中止してお酢に切り替えると…
ただ、この“急性の効果”が続くのは4時間程度といわれています。もし恒常的に血圧を下げるような“慢性の効果”を期待するのであれば、朝昼晩いつでもいいので4カ月程度お酢を飲み続けることが必要です。当初はお酢の効果がみられなかったという高血圧の人が15週間毎日お酢を飲み続けたところ、少しずつ血圧が低下したというデータもありますから。
これらは実験の便宜上、お酢を飲む形式で検証が行われていますが、お酢を料理から摂取するのでも問題はないと考えられます。実際、昨年、鹿児島大学の研究グループが発表した論文では「酢の物」を食べている男性は食べない男性に比べて血圧が改善される傾向にあることが報告されています。
お酢と高血圧予防の関係についての研究には、この他にも驚くべきものがあります。
02年に、当時68歳で高血圧患者でもあった医師が自らの責任で服薬を中止し、食酢15ミリリットルを1日1回、起床時に飲用するという生活を続けたところ、血圧が有意に低下。お酢が降圧剤と同様の働きをしたというのです。
さらに、お酢に加えて血管を拡張させるカルシウム拮抗剤を半量併用した場合には、同じ薬剤を全量服用したときと同等の降圧効果が得られたそうです。
この実験は被験者が1名だけという特殊なものですから、結果が全員に当てはまるわけではありません。従って現在投薬治療をされている方が、自己判断で中止することはやめていただきたい。ただし、少なくとも予防という観点では、お酢は高血圧対策に大きな効果を発揮してくれるといえるでしょう。
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