中国の気球の目的は「台湾侵攻」に向けたプロジェクトの一環だったか 偵察対象には沖縄も

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中国の悲願が具体化

「台湾侵攻を目指し、2017年ごろから始められたプロジェクトだと見られています。台湾や沖縄に駐留する米軍基地の情報を集めるためだったということになります」

 2017年といえば習近平政権の2期目に当たる。習近平国家主席のみならず中国の悲願・台湾奪還に向けたプロジェクトがこの頃からより具体化していたことになる。

「気球は製造コストが低く、漂う範囲は広い。加えて、仮に見つかったとしても今回のように適当な言い訳をつけやすい。そういうメリットがあったので、結構な数の気球が情報収集のために展開されていたと聞いています。米側もその程度のことは把握しているはずですが、これ以上、目くじらを立てて揉め事にすることで米中関係を緊張状態に持ち込むことについては判断の分かれるところとなっているのではないでしょうか」(同)

 忘れてはならないのは、上にある通り、台湾のみならず沖縄も偵察の対象となっている可能性が高いという点だ。

 3年前、同様の気球が日本上空を飛んだことについて、当時の防衛大臣だった河野太郎氏は、現時点においてもなお、安全保障上の影響は無かったという認識を17日の記者会見で述べたという。そういう認識を持つ日本人が多いことを中国は願っていることだろう。

デイリー新潮編集部

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