「罠の戦争」でクサい芝居が話題…名バイプレーヤー「本田博太郎」の知られざるこだわり

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蜷川幸雄の大抜擢

 一大転機が訪れた。主演の平幹二朗(1933〜2016)が腰痛で降板。蜷川は28歳の本田を代役に大抜擢した。この賭けが当たった。当時の「帝国劇場における最年少座長」という記録も作り、芸能メディアも注目した。

 蜷川は次回作の舞台「ロミオとジュリエット」でも本田を主演に起用。本田は期待に応え、2作の演技が評価されてゴールデン・アロー賞の演劇部門新人賞を受賞した。

「これだけのキャリアを持つ本田さんですが、テレビや映画に比べると舞台の出演作が非常に少ないという特徴があります。その理由は、本田さんが蜷川さんに深い恩義を感じているからです。少なくともテレビ業界では、『蜷川さん以外の演出では舞台の仕事はやらない』、『死ぬまで映像一本でやる』と本田さんが舞台の仕事を“封印”していると認識されています」(前出の民放キー局ディレクター)

 劇団「大人計画」に所属する脚本家で俳優の宮藤官九郎(52)も本田を敬愛しており、宮藤らが結成したロックバンド「グループ魂」で、「本田博太郎〜magical mystery UPAAAAAAAAA!!!!!〜」という曲を作ったほどだ(宮藤は作詞を担当)。

 そのためか、2013年、宮藤が演出を手がけた舞台「高校中パニック!小激突!!」に本田は映像で出演している。

「警視庁・捜査一課長」も好評

「クセの強い脇役といえば、石橋蓮司さん(81)、岸部一徳さん(76)、笹野高史さん(74)といった名前が浮かびます。今年2月に72歳となった本田さんにとってはライバルとも言えますが、実のところ本田さんはギャラが安いのです。岸部さんなら1本150万円ですが、本田さんは半分の70〜80万円くらい。キー局からすると安いので、これからもどんどん出演オファーが来ると思います」(同・ディレクター)

 名バイプレーヤーという観点から見ると、年下の俳優にもライバルは多い。小日向文世(69)、遠藤憲一(61)、光石研(61)、松重豊(60)、田中哲司(56)──といった面々だ。

「本田さんには『警視庁・捜査一課長』(テレビ朝日系列/東映・木曜20時)の笹川健志刑事部長という当たり役があります。レギュラー出演しているナイツの塙宣之さん(44)とは仲が良く、撮影現場ではアドリブでふざけあったりしているそうです。ギャラが安くて、どんな役でもこなしてくれて、存在感も抜群。本田さんを悪く言うスタッフは誰もいません」(同・ディレクター)

デイリー新潮編集部

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