「罠の戦争」でクサい芝居が話題…名バイプレーヤー「本田博太郎」の知られざるこだわり
デイリー新潮は2月8日、「北川景子も広瀬すずもこんなはずじゃなかった…『冬ドラマ』は勝者なき異常事態 NHKの『民業圧迫』という指摘も」の記事を配信。その中で、草なぎ剛(48)主演の「罠の戦争」(フジテレビ系列/関西テレビ制作・月曜22時)が好調だと伝えた。
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記事では《民放の連ドラは「世帯10%、個人5%」なら合格点》とした上で、「罠の戦争」の世帯視聴率は8~9%と紹介。民放プロデューサーが《フジやカンテレとしては満足のいく結果を出していると思います》と解説した。
他のネットニュースも「罠の戦争」の好調を伝えている。代表的な記事からタイトルだけを3つ、ご紹介しよう。
◆カンテレ社長が好調ドラマ制作に自信 今クールは『罠の戦争』「これからの展開に期待いただきたい」(東スポWEB:1月26日)
◆【オリコンドラマ満足度】草なぎ剛『罠の戦争』が2週連続首位、「久々の民放でキレがある」「怒りの演技がリアル」男女から絶賛の声(ORICON NEWS:2月3日)
◆草彅剛「罠の戦争」の演技にポジティブコメントの嵐…突き詰めたリアルさが高評価(日刊ゲンダイDIGITAL:2月9日)
民放キー局のディレクターは、「テレビ業界でも注目を集めています。好調の立役者は、やはり草なぎさんの存在感でしょう」と言う。
「草なぎさんの演技については、関西テレビの羽牟正一社長が会見で太鼓判を押したほどです。加えて、本田博太郎さん(72)の貢献も大きいと言われています。本田さんが大臣、その秘書が草なぎさんという役どころで、他局のドラマスタッフからも『あえてクサいところを残した芝居で、たった一言のセリフでも視聴者に強烈な印象を残している』と本田さんを絶賛する声が出ています」
ちなみに、本田の出番が少ないと「本田ロス」を感じる視聴者も出てきているようだ。MANTANWEBは2月7日、「罠の戦争:“犬飼大臣”本田博太郎の登場に『ロス回避!』と視聴者歓喜 再びの“わしづぅ”に期待」との記事を配信している。
人生を決定づけた映画体験
本田博太郎は1951年、茨城県水戸市に生まれた。4人兄弟の末っ子だったが、9歳の時に母を亡くす。
2020年6月、通信社が取材した本田のインタビュー記事が、全国のブロック紙や地方紙に掲載された。北海道新聞の「喜怒哀楽 常に世の中から*名脇役・本田博太郎」では、母親がいない寂しさを紛らわすためか、父親が幼い本田を映画館によく連れて行ったというエピソードが紹介されている。
映画館で本田は「雁の寺」(1962年・大映・監督=川島雄三)や「赤い殺意」(1964年・日活・監督=今村昌平)といった傑作に出会う。
《子どもながら垣間見た闇の世界。「人間の内面に突き刺さるような作品に魅入られ」、高校卒業後、親にも友人にも内緒で俳優を目指し上京した》
若くして結婚し、子供も産まれたものの、上京してから約10年間は、役者だけでは食べていけなかった。1979年、「これを最後に俳優は辞めよう」と、蜷川幸雄(1935〜2016)が演出する舞台「近松心中物語」に参加した。役名もない群衆の一人に過ぎなかったが、悔いが残らないよう、出番が終わってからも舞台袖から芝居を見続けた。蜷川はそんな本田の姿に気づいていた。
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