人気コンテンツ「旅番組」の知られざる苦労 関係者は1月放送のテレ東「鉄道沿線歩き旅」にガッカリ
旅番組スタッフの苦労
「無人駅の陸前浜田駅では、駅の外から3人が列車に乗る姿を撮影していました。それ以降は、列車内の会話は音声のみで、映像はドローンを使って走る列車を上空から撮影したものが使われていました」
2回目の乗車は福田町駅~小鶴新田駅だった。
「こちらも夜間にもかかわらず、上空から列車を撮影した映像のみ。下車した小鶴新田駅は橋上駅舎のため駅内に入ることも叶わなかったようで、福澤アナが駅の階段を降りてくる映像が使用されていました」
ちなみに、3人はタイムリミットギリギリで、無事に仙台駅にたどり着いた。車内映像は、意識しなければ気になることもないけれど……。
「『鉄道沿線歩き旅』はあくまで沿線を歩く企画なので、車内映像はなくても成立するんです。おそらくテレ東のスタッフも“JR路線は車内撮影NG”という認識のはずですが、旅番組の担当スタッフにとっては、JR路線を使いたいというのが本音。車内映像が使えないのは切実な問題なのです」
ひょっとして、太川陽介と蛭子能収のコンビで大人気となった「ローカル路線バス乗り継ぎ旅」はJRの車内映像が使えないから生まれた企画なのだろうか。
「バスにもNGはあります。例えば、東京では都営バスは原則、車内映像NGですし、市営バスなどにもNGのところはあります。『バス旅』も当然、それらを考えてルートが決められているはずです。車内映像NGの区間は音声だけを使うか、ナレーションで違和感なく処理してきました。以前『火曜サプライズ』(日本テレビ)に『京さま・慎ちゃん 都バスで飛ばすぜぃ!』という都バスの旅企画がありましたが、これは都バスを借り切って撮影したのでOKでした」
徳光和夫の居眠りが名物でもある「路線バスで寄り道の旅」(テレビ朝日)はどうだろう。
「コロナ禍以降、貸し切りバスに変更しているようですね。それ以前は、なるべく都営バスを使わないルートを旅していました。ロケではカメラマンやディレクターも乗り込むのが基本ですから、混雑時の撮影は無理。そういった時間帯、車内を避けるのも演出のひとつなんです」
気軽な旅番組と思ったら、番組スタッフの苦労はかなりあるようだ。