上海で「町中華」ならぬ「町和食」が流行中 “すき焼きパスタ”を生んだナルホドの食事情

国際 中国

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 上海の下町に、今後日本の町中華のような存在になりそうな「町和食」の店が続々登場し、人気を集めている。

 日本ですでに定着しつつある町中華だが、明確な定義というものはない。商店街や住宅街にひっそりとある大衆店で、多くは個人経営、そして本来の中国料理とはかけ離れた日本人の舌に合わせた中華料理を提供するというのが共通点だろうか。上海で流行っているのは、まさにその和食版というわけだ。

 海外の和食店というと、現地化した日本居酒屋を思い浮かべる人が多いかもしれない。そういった店は上海にもあり、マヨネーズをのせて炙った寿司や、細切りの海草を辛口の中華ドレッシングで和えた中華海草などがメニューに載っている。本稿で紹介する「町和食」はそうではない。独自にアレンジした和食メニューを、素材や器にこだわって出している個人店だ。経営や調理に日本人は一切関わっていないが、思わぬ味とアイデアに魅了されてしまう在住日本人もいる。日本の町中華との違いは、庶民的というより、若い世代の人気を集めているということだろうか。

 そうした店のひとつ、静安区にある「白日清澄」は若い女性客で常に行列ができている人気店だ。日本ですら珍しいお茶漬けの専門店で、「柚子胡椒鶏胸肉茶泡飯(柚子胡椒と鶏胸肉のお茶漬け)」(48元、日本円で約938円)、「味噌漬青花魚茶泡飯(サバ味噌茶漬け)」(58元、約1,133円)など、日本ではまずお目にかからないが、日本人的にも「食べてみたい!」と思わせる、絶妙なメニューを揃えている。

 そのほかにも、徐匯区の「RUMOR伝聞洋食」や黄浦区の「DEMO和洋食堂」など洋食系町和食とでもいうべきお店や、長寧区にあるまるでカフェのようなおでん専門店「三角関夕」も上海の若者たちに人気だ。今後もさまざまな形態の店が出てくるのだろう。

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