ソフトバンク、史上空前の“大型補強”も、他球団の編成担当者は「圧倒的な戦力という感じはしない」

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オスナ獲得は大きなプラス

 プロ野球のキャンプも中盤戦に入り、新戦力の評判が気になる時期になってきた。やはり注目度が高いチームは、史上空前の“大型補強”を敢行したソフトバンクだ。近藤健介をはじめ、オスナやガンケル、有原航平、嶺井博希と他球団で実績のある選手を次々と獲得しており、解説者のなかでも、パ・リーグ優勝候補の筆頭として推すは多い。【西尾典文/野球ライター】

 中でも大きなプラスと見られているのがロッテから加入したオスナだ。昨年6月に来日すると、夏場以降は抑えを任されて29試合の登板で4勝、10セーブ、9ホールド、防御率0.91と見事な成績を残している。メジャー通算155セーブを誇りながら、今年で28歳とまだまだ若いのも大きな魅力だ。

 昨年のソフトバンクの救援防御率はリーグ2位。オスナが加わったことで、ブルペン陣がさらに強化されたことは間違いないだろう。また、長年抑えを務めた森唯斗、昨年、育成契約からブレイクした藤井皓哉が先発に転向することを考えても、オスナの獲得は、非常に的確な補強と言えそうだ。

主力選手はほとんど「左打者」

 しかしながら、ソフトバンクがすんなりパ・リーグ覇者に返り咲けるかと言えば、そんなに簡単ではないようだ。今回の“大型補強”についても、疑問の声が聞かれることもまた事実だ。他球団の編成担当者は、以下のように冷静に分析している。

「ソフトバンクが“常勝軍団”であり続けたのは、内川聖一(ヤクルトに移籍、昨季限りで現役引退)と松田宣浩(今季から巨人に移籍)の存在が大きかったと思います。この2人の力が落ちたタイミングで、日本シリーズの連覇が止まりました。球団サイトは当然、こうなることは分かっており、その穴を埋めるためにFAで浅村栄斗(楽天)、山田哲人(ヤクルト)を狙っていましたが、結局2人とも獲得できなかった。これは誤算だったと思います。近藤は日本球界を代表する素晴らしい左打者ですが、主力選手がほとんど左打者で、チームのバランスとしては良くない。あれだけ好条件で獲得したのは、パ・リーグのライバル球団に行かれると厄介だったという理由の方が大きかったのではないでしょうか。また、嶺井は控え捕手、有原は故障で米国のマイナーリーグでも成績を残せなかったことを考慮すると、“破格の契約”という印象です。ガンケルは、ある程度試合は作るかもしれませんが、外国人枠を考えれば、一軍の保証はありません。名前のある選手は多くなりましたが、周りが言うほど、圧倒的な戦力という感じはしないですね」

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