ロシア軍“自慢のターミネーター”装甲車が爆破された…専門家は「中途半端すぎる」と低評価

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 2月9日、ウクライナ東部のドンバス地域ルハンシク州で、ロシア軍の装甲車BMPT-72(通称ターミネーター)1両がウクライナ軍の攻撃によって初めて爆破された。かつて、この装甲車をロシアは「破壊されない」と自慢していたと報じられている。一体どんな兵器なのか。

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 ターミネーターと言えば、アーノルド・シュワルツェネッガー主演のアメリカSF映画を思い出す。ロシア語ではテルミナートルと発音するそうだが、日本語では「終わらせる物」という意味で、映画を意識していることは明らかだろう。

 ウクライナ海軍がドローンで撮影した映像には、ルハンシク州クレミンナ近隣の森の中で1両のBMPT-72が映し出される。そしてウクライナ軍が榴弾砲(大砲)で何度か砲撃しながらドローンで着弾点を修正。その後、BMPT-72の砲塔に着弾、爆発炎上したことが確認できる。

初実戦はシリア内戦

 BMPTは、これまで2度改良された。そもそも1990年代末に開発が始まり、98年から量産車の開発が始まった。2009年のセルジュコフ(当時の国防相)改革によって兵力が削減され軍への採用が中止となった。ところが、2011年にカザフスタンと10両、2016年にアルジェリアと300両の契約を結び、2021年までに納入した。

 BMPT-72が初めて実戦に使われたのは2017年で、内戦状態のシリア政府軍に送られた。そこでの運用が評価されてロシア軍での採用が決定。18年、10両のBMPT-72が第90親衛戦車師団の部隊運用に配備された。

 そしてウクライナに送られたのは昨年5月。ドンバスへの攻撃で10両が配置された。

「ウクライナに実戦配備された際、ミリタリー関係者の間で『なんだこの兵器は?』と話題になりました」

 と解説するのは、軍事ジャーナリストの黒井文太郎氏。

「ロシアでもメジャーな兵器ではありません。車体は、主力戦車であるT-90やT-72を使っていて、その上に、色んな武器をくっ付けてみました、という感じで評価は決して高くはないのです」

 BMPT-72は、30mm機関砲が2門、対戦車ミサイル4門、7.62機関銃、煙幕弾発射装置が6基の武器の他に、夜間暗視装置、レーザー測距機、ミサイル誘導システムも装備している。

 30mm機関砲の発射速度は毎分800発で射程は3.7km、対戦車ミサイルは、厚さ2フィート(約60cm)の装甲を貫通し、射程は5km。3つの目標物を同時に攻撃することが可能だという。

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