「デ・ニーロものまね芸人」、地方移住で見つけた「貯金残高30万円」でも幸せな生活
ネプチューン、くりぃむしちゅー、ロンドンブーツ1号2号、バナナマン、アンタッチャブル――。テレビで見ない日はないほど、様々な番組で中心的役割を担う芸人たちだ。実は彼ら、揃って50歳前後と歳が近い。平成の初期からともに劇場や深夜番組で揉まれて力をつけ、令和の今、押しも押されもせぬスターとなった。そんな“トップ芸人”たちと平成初期から一緒に活動し、人気を得ていたにも関わらず、姿を消したコンビがいる。聞けばわかる有名なヒットギャグもあったのに……。その芸人は今、どこで何をしているのか。なぜ競争に勝ち残れなかったのか。そして近年ブレイクした「錦鯉」を含む同世代の活躍をどう見ているのか。今は東京を離れている2人に話を聞きに行った。(元「どーよ」前編・後編のうち前編)【華川富士也/ライター】
駅前通りのアトリエでグッズ販売
待ち合わせ場所は、栃木県佐野市の佐野市役所だった。東京駅から電車で2時間弱。JRと東武の佐野駅から目と鼻の先にある市役所の入り口前に、元「どーよ」のテルはいた。
「アトリエがすぐそこにあるんです」
佐野駅の方に少し戻り、駅前の「昇栄通り」を歩いていると、米俳優ロバート・デ・ニーロ風の男の写真が。斜め右上には「TERU GARAGE」の文字がある。そう、ロバート・デ・ニーロものまねで一世を風靡し、一時は引っ張りだこになっていたテルは、佐野市に移住して活動しているのだ。
「駅前が寂しいでしょ。ここを盛り上げたいんですよ」
テルは通勤通学者の自転車置き場として使われていた駅近の場所を借り、作業場兼グッズ売り場にしている。話はそこで聞いた。
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