大活躍の三笘の移籍先はどこになる? 評価額高騰の背景には、クラブオーナーの慧眼と独自の統計学が
いま日本の、いや世界のサッカー界で最大の注目の的といえば、この選手、英プレミアリーグのブライトンに所属する三笘薫(25)だろう。評価も評価額もはね上がって、来季の移籍が有力視されているが、背景にはオーナーの「博打王」ならではの慧眼があった。
***
【写真を見る】目元がそっくり? 三笘の兄で俳優の「結木滉星」
今月4日にも劇的なヘディングで、公式戦3試合連発の決勝ゴールを決めた三笘。サッカージャーナリストの渡辺達也氏が言う。
「W杯カタール大会までは先発メンバーから漏れがちで、得点は昨年11月5日に挙げた1点のみ。それでも目の肥えたサポーターたちは“なぜ三笘をスタメン起用しないのか”と、不満を募らせていました」
そこに相前後して、イタリア人のロベルト・デ・ゼルビ氏(43)が新監督に就任。しばらくすると、
「スタメンに抜てきされ、直近の公式戦8試合で5得点1アシストと、得点を荒稼ぎしはじめました」
三笘を見いだしたクラブオーナーの慧眼
三笘のどこがすごいのか。サッカージャーナリストの加部究氏が説明する。
「ボールを持つたびに簡単にペナルティーエリアに侵入し、相手のディフェンスラインを突破してしまう。Jリーグ史上、滅多に見られなかったタイプのスター選手ですが、そんなプレーをプレミアでも平然と披露するのが新鮮な驚きです。そもそもイングランドは、ウインガーに素晴らしい選手が輩出しています。そこに三笘が割って入り、昔のイングランドのすばらしいウインガーを彷彿とさせるプレーを見せているのは、とても価値が高い」
そんな三笘を見いだしたのが、ブライトンのオーナーのトニー・ブルーム氏(52)で、加部氏は、
「無名に近かった三笘選手を発掘し、ベルギーにレンタルで出して育て上げ、今後は高額で売ろうとしている。こうした金塊を掘り当てるのは、どこのオーナーにとっても至難の業。ブルーム氏の勝負勘だけにとどまらない、サッカーや選手を見る目を含め、日本とはサッカー文化の根付き方が違うと感じます」
と評する。まさにギャンブルをも厭わないブルーム氏だが、実は、正真正銘のギャンブラーなのである。
[1/2ページ]