ダルビッシュ“WBC代表先乗り”に大谷への「対抗意識」 「両雄」並び立つのか、合同トレで感じた嫉妬心とは

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「大谷には努力では到底追いつけない」

 ダルビッシュはレンジャーズ時代の2015、16年オフ、当時日本ハムに所属していた大谷と合同自主トレーニングを実施した。大谷は14年に「2桁勝利、2桁本塁打」を初めて達成し、日本での二刀流が形を成し始めた頃。ともにドラフト1位で入団した日本ハムではチームメートになることがなかった8歳違いの2人の“コラボ”だった。

 当時取材した記者が述懐する。

「ダルは大谷の身体能力の高さに驚き、そして羨んでいた。大谷は特に速筋の割合が多いそうで、その瞬発力は努力では到底追いつけないレベルであることを口にしていた。大谷に対してはサプリの摂取法や練習法を惜しみなく伝え、大谷はその後もダルに助言を求め、今の体の土台を作り上げていった」

 大谷は16年に「10勝、22本塁打」でMVPに輝き、NPBで選手の頂点を極めた。MLBでも21年に「9勝、46本塁打」、昨季は「15勝、34本塁打」とNPB時代以上のスケール感で二刀流を進化させ、ダルビッシュが嫉妬すらした可能性を実証した。

 時は流れ、ダルビッシュは大谷と今回、初めて同じチームでプレーすることになった。「ともにメジャーで顔の一人になった。ダルは投手一本でここまで来たことへの自負があると思う。大谷のプレースタイルは大谷にしかできないが、ダルには他の投手も取り入れられる変化球の握りや感覚など培った財産がある。技術の伝承という意味では代表で他選手への影響力は大谷より上だと思う」(前出の元監督)

 ダルビッシュの代表か、それとも大谷の代表か。

「ダルは『引っ張って行こうという気は全くない。お互い引っ張っていくのがいい』と話しているように、2人が派閥をつくるようなことはないと思う。互いに適度な対抗意識を持ち、精神面を含めたリーダー役はダルビッシュに任せ、大谷は投打で思う存分に大車輪の活躍をすることでチームを引っ張る形が理想ではないか」(同)

 日本代表は3月9日に中国との初戦を迎える。大谷は米キャンプでの調整を経て直前に合流する。

デイリー新潮編集部

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