「笑点」春風亭一之輔が就任した狙いは“腹黒キャラ”の穴埋め? 見どころは桂宮治とのバトル
年に900席の高座を務める人気者
ともあれ、晴れてメンバー入りを果たした一之輔の人気と実力は斯界の誰もが認めるところ。
「柳家小三治(故人)が落語協会会長を務めていた、平成24年に21人抜きで真打に昇進した実力派です。人間国宝だった小三治会長が“久々の本物。天与の才がある”と、最大限の褒め言葉で昇進を後押ししたほど。かつてファンの間では“スーパー二つ目”と言われ、落語会のチケットは常に即日完売。いまも全国を飛び回り、年に900席の高座を務めるほどの人気者です」
「笑点」は半世紀以上も続く長寿番組だけに、レギュラー陣の高齢化が目立つ。最年長の林家木久扇(85)を筆頭に、喜寿を来年に控えた三遊亭好楽、三遊亭小遊三(75)、司会を務める春風亭昇太(63)らは還暦を過ぎた超ベテラン。“若手”とされてきたたい平も58歳で、40代は宮治と一之輔の二人だけだ。
「今回の一之輔の加入は、将来的なメンバー交代を見据えたもの。かつて桂歌丸師匠と毒舌バトルを繰り広げた6代目円楽師匠が亡くなって、腹黒キャラが不在になった。その穴をふてぶてしいキャラの一之輔が、本来は仲の良い宮治との掛け合いで埋めるでしょう。落語界をけん引する勢いに満ちた二人ですから、ゆくゆくは司会の座をどちらかが担うかもしれませんね」
立春を迎え、春風亭一門の寵児に白羽の矢が立った。
[2/2ページ]