上司への“逆パワハラ”でクビになった元女性自衛隊員の告白 「納得がいきません」
「納得がいきません」
また上司の病歴を揶揄してパワハラ認定を受けたケースでは、こんな事情があったと訴えるのだ。
「この上司は幹部自衛官ではありますが、私と同期で以前からLINEのやり取りをする関係でした。彼女からのメッセージには“(適応障害の)診断をもらえれば、異動も早急にやってもらえるかもという戦略でもあります”と書かれていたこともあって、勤務先を替えたいがための詐病だろうと考えていました。こうした彼女の態度をとがめて言ったことを、その発言に至るまでの事情を加味せず被疑事実とするのは、本当に納得がいきません」
海自の回答は
彼女から指摘があった上司らにも、言われるだけの相応の理由があったと主張するのだ。だが、一般企業ならまだしも、これが国を守る組織の実態だとすれば、やはり首をかしげたくなる。
改めて海自にも聞くと、
「個人が特定されかねない情報を基本としているため、お答えは差し控えさせていただきます」(防衛省海上幕僚監部広報室)
そう話すばかり。不服申し立ての結論が出るのはまだ数カ月先といわれるが、自衛隊として組織の立て直しが急務なのは言うまでもない。国を守るべき防波堤がこれほどに脆いと知ってほくそ笑むのは、海の向こうのかの国である。