自衛隊で異例の「上司へのパワハラ」が! 5人の“メンタル破壊”で免職処分に
国生さゆり似
以上を海自は公表したものの、後述する詳細を聞けば、確かにその中身は伏せておきたかったのもうなずける。まず規律の厳しいはずの自衛隊という組織にあって、上官に「暴言」を吐くこと自体が極めてまれなケースに思えるが、いったい何があったというのか。
「海自は公にせず報じられていませんが、懲戒免職となった2曹は女性隊員で、航空隊ではその名を知らぬ者はいない女傑です」
そう明かすのは、さる防衛省関係者。自衛隊でハラスメントといえば、どうしても被害者は階級の低い者か女性隊員と思われがちだが、今回は事情が違うとして、こう続ける。
「軍事組織である自衛隊では、上官に対しては絶対服従が基本。ところが加害者である彼女は、上官に対して意に染まないことがあると口汚く罵るなど、まるで女帝のように振る舞っていたそうです。見た目は女優の国生さゆり似で短髪。仕事はできるが気性が荒い面があって、上から注意されると些細なことでもブチ切れて、すぐに“パワハラだ”“セクハラだ”と騒ぐ。過去にも自らの暴言で処分を言い渡された際は、それこそ抵抗して2階の窓から飛び降りようとする騒動もあったとか……」
「業務の遂行能力が高かったのは事実」
なかなかにしてエキセントリックな一面をお持ちのようだが、彼女は5年前に沖縄の那覇基地から厚木へと異動してきたそうだ。
「行政文書の取り扱い方法の刷新やセキュリティーの向上を担うチームで仕事をした後、3年前からは命令書の作成や車両パスの発行などの事務を行う運用班、その後は隊員の定年後をサポートする就職援護室に勤務していた。いわば組織のロジ担(後方支援担当)としてパソコン作業などに長け、上司より彼女の方が業務の遂行能力が高かったのは事実のようで、そこにトラブルの種があったのではないか」(同)
今回、被害者となった上司の中には、いわゆる幹部自衛官とされる上官も含む。一般企業でいうところの総合職にあたり、各地の基地などを数年単位で異動するのが常である。担当部署もその都度替わることが多く、どうしても日々の業務は長く在籍する専門職の部下、つまりは加害者となった彼女のような存在に頼らざるを得ない。それゆえ、在任中自らに火の粉が降りかかることを恐れ、彼女に迎合する上官が次第に増えていったと指摘する声もある。
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