岸田総理が“不意打ち”で4月解散を決行する可能性が 周囲は「岸田さんは吹っ切れた様子」

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「岸田さんは吹っ切れた様子」

 仮に4月の総選挙なら衆院の補欠選挙はなくなり、焦点は10増10減に伴う候補者調整となる。それを見越してか、総理は1月5日に森山裕党選対委員長(77)に調整を急ぐよう指示していた。その後、森山氏は周囲にこう話している。

「岸田さんは吹っ切れた様子で、心に期するものがあるようだった。調整は急がないといかん」

 ただ、政権内には消極的な声も少なくない。地方選に力を入れる公明党の反発は必至のうえ、日銀総裁の交代による市場の反応は不透明。内閣支持率が少しでも上向くかがカギとなる。

 2月6日、岸田総理はようやく菅氏と面会し、記者団に「さまざまな政治課題について報告した」と語った。が、自民党関係者は「菅さんは反増税の立場。総理は解散に向けて少しでも理解を得ておこうとしたのでしょう」と話す。

 かつて佐藤栄作元総理は「総理の権力は改造するほど下がり、解散をするほど上がる」と指摘した。岸田総理は求心力回復のために、なりふり構わぬ解散戦略に打って出るのだろうか。

青山和弘(あおやまかずひろ)
政治ジャーナリスト。星槎大学非常勤講師。1968年、千葉県生まれ。元日本テレビ政治部次長兼解説委員。92年に日本テレビに入社し、野党キャップ、自民党キャップを歴任した後、ワシントン支局長や国会官邸キャップを務める。与野党を問わない幅広い人脈と、わかりやすい解説には定評がある。2021年9月に独立し、メディア出演や講演など精力的に活動している。

週刊新潮 2023年2月16日号掲載

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