王者「相棒」を悩ます「上田と女が吠える夜」 テレ朝は「星降る夜に」で手を打ったつもりが

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長寿番組も打ち切った日テレ

「若い女性は購買力もあり、行動範囲も広いですからね。それがコア層の数字に通じるのです。今、テレビ局の営業や広告代理店、スポンサーは、世帯視聴率をほとんど気にしていません。重要なのは個人視聴率と全国区の総視聴者実数、そしてコア視聴率です。日テレは10年ほど前、制作のプロデューサーやディレクターをホールに集め、“コア視聴率重視”を通達。以来、『メレンゲの気持ち』や『誰だって波瀾爆笑』といった長寿番組を打ち切ってきました。たとえ世帯視聴率が取れていても、コア視聴率の取れない番組は認められなくなりました」

 その差が日テレの「上田と女」、テレ朝の「相棒」に現れたというのだ。

「年度や年間の視聴率で熾烈な戦いをしている両テレビ局ですが、実はテレ朝はコア視聴率が全く取れないと言われています。テレ朝No.1の『相棒』ですらコアが取れないのですから、他は推して知るべしです」

 それはCMを見ればわかるという。

「テレ朝の番組をリアルタイムで見てみると、とにかくCMの量と番宣が他局に比べ抜きん出て多いのです」

 番宣はともかく、CMの量が多いのは結構なことではないのだろうか。

CMの質

「番組の途中に入る“中CM”を見ると、日テレは90秒、120秒のCMが普通ですが、テレ朝の場合は150秒でも短いほうで、180秒のCMが多い。さらに、番宣スポットが何度も流れます。そのスポンサーも、お世辞にもお金を持っているだろうな、というところが少なくない」

 財津一郎の「♪ピアノ売ってちょーだい!」のCMもやけに見かける。

「あのCMだって20年前のアナログ放送の頃から変わってません。今シーズンの連ドラでは、西島秀俊が主演の『警視庁アウトサイダー』だってコア視聴率で見ると1・8%、昨年10月期にスタートしたバラエティ『ニンチド調査ショー』も1・5%、老舗の『徹子の部屋』など0・4%。裏で低視聴率と言われる『ぽかぽか』(フジ)の0・6%にさえ負けています」

 そこでテレ朝も手を打ったという。

「これではマズいと思ったのでしょう。『相棒』とともにテレ朝を支えた『科捜研の女』を火曜21時の枠に移動し、今シーズンは吉高由里子の主演で若者向けのラブストーリー『星降る夜に』を放送してコア視聴率の挽回を図りました。ところが、2月7日の放送では、世帯6・1%、個人3・5%、コア1・9%。コアも取れていませんが、世帯と個人も取れていません」

 なぜそんなことに?

「世帯視聴率で年度と年間の三冠王を奪うことにこだわりすぎているのでしょう。今やテレ朝は、不動産収入のあるTBS、世帯視聴率は取れていませんがコアは上がっているフジ、アニメでコアを稼ぐテレビ東京よりも、営業的にマズいのではないか、なんて声も聞こえてきます」

デイリー新潮編集部

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