ついに自民党の“パンドラの箱”が… 総理秘書官の差別発言で「LGBT法案」はどうなる?

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何をもって差別とするか

 しかし、同性愛をカミングアウトしている元参院議員の松浦大悟氏は、

「本来、冷静に議論を深めていかなくてはいけないのに、LGBTが政局に利用されるようなことがあれば、非常に残念に思います」

 と指摘する。

「LGBT理解増進法には法律自体に瑕疵(かし)がありました。『差別は許されない』と記載されていながら、何をもって差別とするかが書かれていなかったのです。そもそも何が差別に当たるのかは非常に論争的な問題です」

 例えば、一昨年の東京五輪で、出生時に男性だったニュージーランドの重量挙げ選手が、トランスジェンダー選手として女子の競技に出場した一件では、

「あの時、多くの女子選手から不公平だという声が上がり、結果、そう主張した選手は差別主義者だと批判されてしまった。しかし、それは本当に差別だったのでしょうか。同性婚にも難しい問題が横たわっており、まずは情報をオープンにして、議論することが重要です。国民の理解が深まっていない中で、法案を通そうとするのは間違っています」(同)

「爆弾発言秘書官」が残した新たな火種。旧統一教会問題で国会が混乱した、昨年の悪夢がまたよみがえる――。

週刊新潮 2023年2月16日号掲載

特集「『岸田総理』に『秘書官爆弾』連発 『経産省トイレ問題』が脳裏に…頼りの側近の差別発言で蘇った『LGBT法案』の火種」より

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