批判を一切許さない日本共産党の異様な体質 不正を告発して除籍された元板橋区議は「要するにブラック企業なんです」

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批判したら除名

 松崎いたる氏は日本共産党本部に勤務後、4期16年にわたり板橋区議を務めた。ところが、他の党員が関わった公金横領詐欺を告発したことが党中央の逆鱗に触れ、除籍処分を下されてしまう。

 松崎氏は2022年7月、著書『日本共産党 暗黒の百年史』(飛鳥新社)を上梓、注目を集めた。文中には以下のような記述がある。

《私は一九八五年に入党し、二〇一五年には党歴三十年の「永年党員」として登録されたこともあるれっきとした日本共産党員だった。だが永年だったはずの党員資格は翌年には除籍処分のため、はく奪された。他の党員がかかわった公金横領詐欺の不正事件を告発したことが、党中央の逆鱗にふれたためだ》

《除籍に至った経緯は本書の主題ではないので、ここでは詳しく述べない。ただ党員、党議員として当然の義務と任務を果たしてきた私が除籍されるという衝撃的な経験は、「日本共産党とは何だったのか」という根本的な疑問を、私に正面からつきつけることになった》

 今回の松竹氏の除名処分について松崎氏に感想を訊くと、「日本共産党は昔から同じことを続けてきました」と苦笑し、次のように話す。

「党の方針に異を唱えると、除名されてしまうのです。読売新聞の主筆・渡邉恒雄氏(96)、日本テレビの会長を務めた氏家齊一郎氏(1926~2011)、セゾングループの代表だった堤清二氏(1927~2013)、作家の安部公房氏(1924~1993)、皆さん共産党を除名されています」

共産党はブラック企業

 今回の騒動で、共産党は「建設的な批判や提言さえ許さない」という狭量な体質が露わになった。

 これに対して一部の識者は、マルクス主義が「プロレタリア独裁(プロレタリアが革命によって得た権力を維持・強化するためにブルジョアジーを強制支配すること)」を掲げていたことや、ソ連共産党の前身であるボリシェヴィキが「民主集中制(反対政党の存在や個人による党批判を許さないとする行動規範)」を制度化していたことが一因だと指摘していた。

 だが、松崎氏は「そんな大げさな話ではありません。要するに日本共産党はブラック企業なのです」と言う。

「一般的な労組などとは異なり、日本共産党は専従率が高いことで知られています。専従の党員は、党の指示にさえ従えば、衣食住に不自由はしません。党内部でぬくぬくと生きることができる代わりに、党を批判すると容赦なく潰されます」

 松竹氏の除名について志位委員長は「公然と外から攻撃したことを問題にしている」と説明した。

 一方の松崎氏は公金横領事件に関して党内で資料を配付し、自身の主張を支援者に説明した。すると、これが“分派行動”だと批判された。

「要するに、党中央が『党に異論を唱えた』と認定すると、議論の場が党内であろうが党外であろうが、問答無用で追い出されてしまうのです。ブラック企業も社員が経営陣を批判するとクビでしょう。全く同じなのです」(同・松崎氏)

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