箱根駅伝優勝「駒澤大学」で起こった「ミスコン」不正騒動 “投げ銭地獄”に“罰金ルール”という大人が知らない過酷な実態とは
恋愛禁止
コンテストの裏事情について、複数の関係者が取材に応じた。ある関係者によれば、
「駒澤の昨年のミスコンでグランプリに輝いたのは男女とも運営の代表学生の高校の同級生だった。この同級生たちに何としてでもグランプリを取らせたかったか、ライブ配信アプリでポイントを稼いでいた学生たちの得点を次から次へと減点していったのです」
まず運営側が目を付けたのは出場者同士の“関係”についてだった。
「キャンパスコンテストはどこの大学も“恋愛禁止ルール”が設けられているんです。これは、出会い目的でコンテストに出場する男子学生が少なからずいることへの対策だったり、運営団体の学生と付き合うことでコンテストを有利にしようとすることを防ぐ目的があります。どこの大学でも設定されているルールです。でも、実際にこれに違反して制裁を科すのはいくら何でもやりすぎです。駒大の場合は、コンテストの終盤に“ミスコンの女子学生と関係をもった”と周囲に自慢していたミスターコンの出場者が運営の一存で5割減点。減点するにあたって当事者の聞き取りは一切行っていませんし、減点されたことは当事者にも伝えられていませんから“関係”が事実かどうかも分からない。かわいそうなのは好き勝手に吹聴された女子学生の方まで少し減点されてしまったことでしょう」
60万円の違約金
また、別の関係者は「“運営に対して会議で反対意見を述べた”という理由で5割減点された女子学生もいました。5割も減点されたら、コンテスト期間4カ月の頑張りは水の泡。ライブ配信サイトで何十万円も課金して応援した人達も納得しないでしょう。それからコンテスト期間の終盤、突然新たな採点基準が設けられたことも問題視されていました。しかもその審査内容は、運営スタッフが候補者の知らないところで候補者の資質や特徴をプレゼンし合い、顧問や運営サークルの代表が勝手に点数を付けるという荒唐無稽なもの。候補者にも投票する人にも知らされず密室で行われる審査なんて何の公平さもありません。本命候補が受賞を逃したのは、こういう裏があったんです」
さらにはこんな証言も。「実は、コンテストの中盤で、出場していた学生の一人がライブ配信で心を病んでしまい途中棄権を申し出たことがあったんです。ところが、運営側は“途中棄権すると運営側に損失を与えることになる”“60万円の違約金をはらってもらうことになる”とこの学生に迫ったそう。確かに出場規約には“運営側に損失を与えない”という条項はありますが、60万円の損害賠償なんて一言も書かれていません。結局、この学生は棄権を取りやめ配信を継続しましたが、運営側の発言が事実であれば大問題です」
今回の騒動について、駒澤大学に見解を尋ねたところ、
「調査の結果、恋愛禁止ルールに違反したとして減点された学生がいたことは確認できました。運営に対して反対意見を述べたという理由で減点された学生がいたことは確認できませんでした。途中棄権を申し出た学生に対して60万円の違約金の支払いを求めた事実は確認できませんでした。今後も引き続き、当コンテストが抱える問題点を指摘するとともに、健全な企画・運営を心がけるよう、再度周知指導して参ります」
投げ銭に恋愛禁止、罰金まで……。キャンパスコンテストの在り方について、今一度考えてみる必要がありそうだ。
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