作家・燃え殻さんが語る、3年半交際した恋人と別れ際に交わした“切なすぎる会話”

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客のいない目黒川沿いのカフェで

 作家・燃え殻が「週刊新潮」で連載するエッセイ「それでも日々はつづくから」が100回を迎えた。20年ほど前、3年半交際した恋人と別れた朝、最後にカフェで交わした会話の中身とは――。

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 それは冬の朝だった。

 目黒川のほとりにあるカフェは、音飛びがやけに激しいレコードからサラ・ヴォーンが、いい具合に人生を奏でていた。店内には僕たち以外、客は誰もいない。まだ午前8時をすこし回ったところで、街は半分寝ぼけているように感じた。...

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