嫌みに聞こえないのが実力の証し 藤井五冠が「久々の挑戦者」となった「棋王戦」
「挑戦するのが新鮮」
対局の前日に行われた記者会見では、
「挑戦者として対局するのは新鮮な気持ちもあります」
と言ってみせた藤井聡太五冠。
世間では普通、20歳の若者といえばまだまだ社会経験も浅く、「挑戦する立場」となるのが当たり前。
それにもかかわらず「挑戦するのが新鮮」とは、言う人によっては不遜とも受け取られかねないが、藤井五冠に対してそんなことを思う人がいるはずもない。
すでに手にしているタイトルは竜王・王位・叡王・王将・棋聖の五つ。棋王を取ると六冠目になる。
圧倒的な実績があるからこそ、こう発言しても、少しも嫌みに聞こえないのだ。
今回、胸を貸す立場となった渡辺明棋王も
「藤井五冠はすごみを増している。他の棋士とは別の対策が求められる」
と警戒を隠さなかった。
羽生善治九段と対戦中の「王将戦」や、名人位挑戦を懸けた順位戦など、このところの対局過多が心配される藤井五冠。「王将戦」では第四局を終えた時点で2勝2敗。互角の滑り出しとなった「棋王戦」の行方も今後どうなるかはまだまだ分からない。
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