渡邉優樹容疑者に1億円を運んだ「日本人彼女」の知られざる正体 60億円の犯罪収益は没収できる?
渡邉にぞっこん
「柴田は19年3月にマニラを訪れた際、知人を通じて“コウ”という偽名を名乗っていた渡邉と知り合い、すぐに男女の仲になっています」
と、前出の捜査関係者。
「グループは、特殊詐欺で60億円以上稼いでいました。トップの渡邉はマニラで高級カジノホテルを定宿にしており、湯水のようにギャンブルにカネをつぎ込むなど、遊び方も半端ではなかった。柴田は派手な暮らしをするそんな彼にぞっこんになってしまったのです」(同)
大阪地裁の判決文には、彼女が急速に犯罪の世界へその身を堕としていく様が、以下のように記されている。
〈被告人(編集部注・柴田のこと)は、4月2日、渡邉の誘いで再びマニラを訪れ、その際、日本から2000万円の現金を持ち出して渡邉に渡した。被告人は、その頃から、渡邉の率いるグループ(以下「本件払出盗グループ」という。)において、SNSやメッセージアプリを通じて受け子をリクルートする仕事をするようになった〉
運んだ総額は1億円超か
先の捜査関係者が柴田についてこう明かす。
「彼女は『田中』という偽名で、『tanaka0410』というテレグラムのアカウントを使用していました。特殊詐欺の被害者のキャッシュカードから引き出した現金を回収する“金庫番”の役割を担ったほか、合計7回フィリピンに渡航。犯罪収益の中から毎回数千万円を渡邉に届ける“運び屋”でもありました。運んだ総額は1億円を超えるでしょう」
金を持ち逃げもせず、言われるまま短期間の内に何度も渡航を繰り返したのは、思いを焦がす男に会いたいという一心からだったのか。いずれにしても、犯罪で結ばれた危険な関係の代償は軽くなかった。
「彼女は大阪地裁で20年10月に懲役4年6カ月の実刑判決を下されており、控訴をしていないため、刑が確定しています」(同)
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