「有原航平」に日ハムファンから批判噴出…日本球界復帰で「沢村拓一」と明暗を分けた理由
「義理を守る」
プロ野球のキャンプが中盤戦に入っている。メジャーからの“出戻り選手”で注目されるのは、3年ぶりに日本球界に復帰した有原航平(ソフトバンク)と、沢村拓一(ロッテ)だ。有原は元日本ハムのエースだったが、古巣に戻らずにソフトバンクを選んだ一方で、沢村は2020年に在籍したロッテに帰ってきた。彼らの日本球界復帰に対するファンの反応は、完全に“明暗”が分かれている。【西尾典文/野球ライター】
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“称賛の声”が圧倒的に多いのが、沢村だ。渡米前年の20年は巨人で防御率6点台と苦しんでいたものの、9月にトレードでロッテに移籍すると鮮やかに復活を遂げ、チームのクライマックス・シリーズ進出に貢献した。
その年のオフに、海外フリー・エージェント(以下FA)権を行使して海を渡り、レッドソックスで貴重な中継ぎとして活躍した。ロッテでプレーしたのはわずか2カ月だったが、再入団会見でロッテに復帰した理由について、沢村は以下のように説明している。
「僕がアメリカに行く際に待ってくれたというか、快く送り出してくれた義理を守るというのもそうですし、吉井監督が監督に就任されたことも僕の中で大きかったです」(1月28日付・日刊スポーツ)
このコメントに対しては、ロッテ以外の野球ファンからも支持する声は非常に多い印象だ。
ソフトバンクと3年15億円の大型契約
それとは対照的に、有原に対しては、日本ハムファンを中心に批判が噴出している。有原は、日本ハムに所属した6年間で、3度の二桁勝利をマークするなど先発の柱として活躍し、19年には最多勝のタイトルを獲得した。20年のオフに、ポスティングシステムを利用して、レンジャーズに移籍した。
しかし、メジャーでは大苦戦。右肩動脈瘤の手術を受けるなど、故障に悩まされ、2年間でわずか3勝と低迷していた。昨年11月、レンジャーズ傘下からFAとなり、移籍先を探していた。
一時はメジャーでのプレーを希望しているという報道があったが、最終的には、ソフトバンクと契約し、日本球界に復帰。3年15億円(推定)という大型契約だ。
日本ハムファンが憤慨している理由は、有原のメジャー移籍が、海外FAではなく、球団の容認が必要なポスティングシステムだったこと。それに加えて、古巣・日本ハムから復帰のオファーがあったにもかかわらず、ソフトバンクと高額年俸の大型契約を結んだからだ。今季、有原が日本ハム戦のマウンドに上がる際には、日本ハムファンからブーイングが起こる可能性が高いだろう。
しかしながら、現在のルールでは、ポスティングシステムを利用した移籍であったとしても、日本球界に復帰する時には、古巣へ戻らなければならないという決まりはない。つまり、有原がルール破りをしたわけではない。
過去にも、岩村明憲(元ヤクルトなど)、松坂大輔(元西武など)、西岡剛(元ロッテなど)らが、ポスティングシステムでメジャーに移籍しながら、日本球界に復帰する際には“古巣以外の球団”と契約している。
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