「笑点」新大喜利メンバー、春風亭一之輔がトンデモない時期に年賀状を送った意図
2月5日、「笑点」(日本テレビ)の大喜利新メンバーとして、春風亭一之輔(45)が加わることが発表された。落語ファンの間では「よくオファーを受けたなぁ」という声がしきりだ。なにせ、もっともチケットが取れない噺家の一人で、どの落語会も超満員、今さら顔を売る必要もないからだ。そんな一之輔に、なぜ日テレはオファーしたのか。
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一之輔のレギュラー就任に驚いたのは落語ファンばかりではない。司会の春風亭昇太も、「笑点」の後に放送される「真相報道 バンキシャ!」でこう語っていた。
昇太:(新メンバーに)誰が来るんだろうって予想するわけですよ、僕たちも。今年に入って一之輔さんだって聞かされたんですけど、もうビックリしました。よく受けてくれたなと思って。優秀な人なので忙しい人で、「『笑点』どうですか?」って言われても断るんじゃないかなって思ってたぐらいなんですよ。だからすごい驚きました。すでに自分の立ち位置みたいなものをわかってるんで、やりやすくなるなと喜んでいます。
噺家としての実力は折り紙付きだ。2001年に春風亭一朝に入門し、3年後の04年に二つ目に昇進。10年にはNHK新人演芸大賞落語部門大賞や文化庁芸術祭大衆芸能部門新人賞などを受賞。12年には人間国宝・柳家小三治に認められ、先輩噺家21人抜きの抜擢で真打ちに昇進した。
もっとも、「そもそも『笑点』は実力者ばかりを集めた番組ではなかった」と言うのはある落語通だ。
日テレの目論見
「大喜利なんて寄席の余興に過ぎませんから、レギュラー陣も縁故採用されるケースが少なくなかった。三遊亭楽太郎(6代目円楽)は師匠である5代目圓楽の弟弟子・圓窓の後任としてレギュラーになりましたが、当時はまだ二つ目でした。林家たい平も病気療養中の師匠こん平の代役からスタートしています。2021年12月にレギュラーを降板した林家三平は、前任プロデューサーが三平の実家・海老名家に世話になった義理からと聞きます」
では、なぜ日テレは一之輔にオファーしたのだろう。日テレ関係者は言う。
「2016年の加入時には歓迎された三平が次第に“面白くない”との批判が相次ぐようになり、とうとう一昨年、降板の憂き目に遭った。そのことで番組としても失うものが大きく、目先の人気やコネで選んでる場合ではなくなったのです。話題性のある新顔ではなく、レベルの高い演芸番組を維持することを目的として、実力第一、しかも長く続けてもらえる人として一之輔を選んだわけです」
しかも、高視聴率の維持は「笑点」だけの問題ではない。
「日テレの日曜は『笑点』に始まり、『真相報道 バンキシャ!』、『ザ!鉄腕!DASH!!』、『世界の果てまでイッテQ!』、『行列のできる相談所』、『おしゃれクリップ』、『ブラッシュアップライフ』へと連なる大きな流れがある。テレビ朝日に視聴率で迫られている日テレとしては、この源流となる『笑点』の視聴率アップが喫緊の課題でもあったのです」
下馬評では、初の女性レギュラーとして蝶花楼桃花(41)という声もあった。
「昨今のジェンダー問題から本命視する声もありました。とはいえ、実力で言えば一之輔のほうが圧倒的に上でしょう。それに桃花をレギュラーにすると、三遊亭小遊三のスケベネタがブーメランとなって襲ってくることにもなりかねません」
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