「ブラッシュアップライフ」で高評価、どんな役柄もこなす女優「安藤サクラ」をつくった生育歴
安藤サクラ(36)にとって民放で初めての主演連続ドラマ「ブラッシュアップライフ」(日本テレビ)が好評を博している。安藤が演じている近藤麻美は、3周目の人生を送っていることを除くと、どこにでもいそうな等身大の女性。もっとも、安藤本人は凄い人なのである。
なんでも演じてしまう
「ブラッシュアップライフ」は高い演技力を持つ安藤サクラが主演だから成立している。20歳前から30過ぎまでをドラマで易々と演じてしまう女優はそういないからだ。
主人公・近藤麻美の女子大生時代はかわいらしさと清新さを感じさせる。市役所職員、薬剤師に扮すると、美しさと年齢なりの落ち着きを見せた。
いずれも無理がない。36歳の安藤が女子大生に扮しても「おい、おい」といった苦言や失笑は聞こえてこない。
麻美には、まだ別の顔がある。第4回でのこと。3周目の人生で日本テレビのドラマ制作者となった麻美は、北熊谷駅前で三田哲夫(鈴木浩介[48])に近づいた。三田は通称・ミタコング。中学の時に社会科を教わった教師だ。
麻美はミタコングが痴漢の冤罪で逮捕されるのを防ごうとした。嫌いな教師だったものの、2周目の人生で近く子供が生まれることを知ったため、放っておけなくなった。
「三田先生、お久しぶりです」。中腰でミタコングに歩み寄った麻美はトレーナーにキャップ姿で、怪しい作り笑いを浮かべていたことから、まるで悪い魂胆のある少年だった。今後も安藤はさまざまな麻美を見せてくれるのだろう。
このドラマに限らず、安藤はどんな役柄もこなす。性に積極的で妊娠した女子高生(映画「俺たちに明日はないッス」2008年)、洗脳を得意とする新興宗教幹部(同「愛のむきだし」2009年)、いつもガムを噛んでいるスケバンのガムコ(同「愛と誠」2012年)、ひきこもり生活を送り、太っていたが、体を鍛えてリングに立つ女性ボクサー(同「百円の恋」2015年)。
どの役柄も絶妙。作品の中では安藤本人の存在が消え、役柄の人物にしか見えなくなる。美しい女性もそうでない女性も出来てしまう。
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