三笘薫、旗手怜央、伊東純也、上田綺世…欧州では”異色”な彼らの経歴が日本人選手の価値を高める理由
問われる交渉術
もちろん本人の努力による結果だが、Jクラブは海外移籍を希望する選手を後押しするように、高額な移籍金を設定することはほとんどない。「希望を叶えてやりたい」という親心からで、時にはレンタル移籍で送り出すこともある。
受け入れるクラブとしては、「レンタルならたいして費用はかからないし、ダメなら返せばいい。掘り出し物があればラッキー」くらいの感覚だろう。三笘の4億円もヨーロッパの市場からすれば、いまとなっては破格の安値だ。
果たして今シーズン終了後、三笘の移籍金はどれくらい高騰しているのか想像もつかない。彼を育てた川崎Fや筑波大学には、連帯貢献金とトレーニング費用(育成保証金)が支払われるものの、今後は「安価な移籍金で売却した」と交渉の未熟さを指摘される可能性が高い。そしてそれは、川崎Fに限ったことではない。
三笘や旗手、上田らが活躍すればするほど、Jリーグ(Jクラブ)の“陽”である選手の質の高さと同時に、移籍交渉に関する“陰”もクローズアップされることになるだろう。
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