懲罰委開催で「ガーシー3月帰国」は白紙に 「不逮捕特権」消滅で焦る警視庁が仕掛けるウルトラC

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「悪質性の立証」へとシフト

 すでに警視庁はガーシー氏の動画投稿によって「名誉を傷つけられた」などとする著名人からの告発を受理し、名誉棄損や威力業務妨害などの疑いで捜査中だ。これまでは不逮捕特権が「最大の障壁になる」と見られてきたが、ガーシー氏が議員の身分を失うことで、逆に逮捕は難しくなるという。

「帰国すれば捕まるリスクがあると承知しているガーシー氏が仮に陳謝処分になったとして、そのために日本に戻ってくることはないと警視庁は踏んでいる。さらに除名の可能性も浮上すれば、なおさらガーシー氏が表明していた“3月帰国”も白紙になる可能性が高い。逮捕に前のめりだった警視庁上層部も帰国が遠のいたことに焦りの色を見せ、新たな策を模索し始めています」(全国紙警視庁担当記者)

 警視庁の狙いについて、元東京地検特捜部検事で弁護士の若狭勝氏がこう話す。

「名誉棄損などに用いられたツールはガーシー氏の過去の投稿動画のため、すでに警視庁は相応の証拠類は押さえているはず。また今年1月、警視庁が行った関係先の家宅捜索のなかに動画投稿で得た広告収入を管理する会社も含まれていたことから、悪質性の立証も視野に捜査を進めていると考えられます。つまり“違法行為でお金儲けまでしていた”となれば、即時逮捕も可能となる“悪質事案”に変貌する」

「捜査嘱託」と「強制送還」

 問題は、いくら証拠を揃えようと「帰国が逮捕条件」となっている点だが、警視庁に秘策はあるのか。

「仮に犯罪容疑を裏付ける証拠類が揃ったとして、それでもガーシー氏がドバイに留まり続けるならば、警視庁としてはまず逮捕状を取り、その後でICPO(国際刑事警察機構)や外務省を通じてドバイの警察当局に『捜査嘱託』を依頼するという流れが想定できる。しかしドバイのあるUAE(アラブ首長国連邦)とは犯罪人引き渡し条約を結んでいないため、捜査共助要請などを行ったからといって、現地の警察当局がどこまで協力してくれるかは未知数。要は捜査嘱託を依頼しても、強制力をもって帰国させることは難しいのが現実です。さらに一歩踏み込んで、ガーシー氏の旅券やパスポートを無効にすることで不法滞在の形にし、強制送還に持ち込むというシナリオも考えられますが、ドバイ当局や日本の関係機関との協議や調整が必要となり、そう簡単に取れる策ではありません」(若狭氏)

 海外に逃亡中は「時効が止まる」ことが唯一の救いというが、これでは“犯罪をおかしても海外に逃げれば大丈夫”といった悪しき先例をつくりかねない。威信を懸けた警視庁の捜査の行方に注目が集まる。

デイリー新潮編集部

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