三遊亭好楽が40年ぶりに落語協会の定席に 本人が語った“異例の出演”の理由とは?
23回も破門を言い渡され…
九蔵時代の好楽は酒にまつわるしくじりが多かった。師匠の正蔵から23回も「もう来なくていいよ」と破門を言い渡されたという。
「師匠はその度にあんちゃんに“破門にしたよ”って電話する。あんちゃんはいつもタクシーで師匠の家まで駆け付けて取りなしてくれました。6回目ぐらいの時は“そんな奴、破門して下さい。私が引き取ります”と。師匠は“そんなこと言ってないよ”って撤回してくれましたね」
柳朝は昭和57年に脳梗塞で倒れ、療養生活を余儀なくされた。最後まで高座への復帰はかなわず、平成3年に61歳でこの世を去った。
「倒れた時も一緒でしたし、亡くなった後は、おかみさんのもとに何度も夫婦で泊まりに行きました。おかみさんが亡くなった時には、手を握って看取りました」
そんな背景からか、落語協会の理事会は好楽の追善興行への出演を“特例”としながら満場一致で了承。同じく兄弟子だった林家木久扇(85)や柳朝の直弟子の一朝(72)のほか、小朝と正朝(70)が顔をそろえ、トリは六代目柳朝(52)が務める。
「久しぶりに一門が集まるのはうれしいですし、何よりあんちゃんへの恩返しになる。寄席に出るのは故郷に帰ったみたいだし、楽屋では若い人にあんちゃんの思い出を話してあげたい」
円楽一門が寄席から離れて45年。春を待たずに雪解けとなりますか――。
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