上官に「ばかじゃないの」と暴言連発 “逆パワハラ”でクビになった元女性自衛隊員の言い分
「本当に納得がいきません」
こうした言動が問題となり、懲戒免職処分となったわけだが、この件はまだ落着していない。
処分が下された女性海曹は、これを不服として海自に対して不服申し立てを行っているという。その言い分を聞くべく、彼女の自宅へ足を運ぶと、以下のように答えるのだった。
「私が口にしたとされる暴言について、2年前のことなども多く含まれていて正直なところ詳細は記憶にないのですが、厳しく意見具申を行ったことは確かにありました。私は防衛省のためにと思って頑張っていたつもりではありますが、上司にも意見を繰り返すので、きっと組織では疎(うと)まれていたんでしょうね……」
彼女の認識はこうだ。
「当時の上司である1等海曹に強い口調で意見したのは事実ですが、それは彼が女性自衛官の官舎から出たゴミを漁っているのを目撃し、見とがめたということもあります。こうした行動をとる上司を注意するのは、それほどにおかしいことでしょうか」
また上司の病歴を揶揄したとしてパワハラ認定を受けたケースについては、
「この上司は幹部自衛官ではありますが、私と同期で以前からLINEのやり取りをする関係でした。彼女からのメッセージには“(適応障害の)診断をもらえれば、異動も早急にやってもらえるかもという戦略でもあります”と書かれていたこともあって、勤務先を替えたいがための詐病だろうと考えていました。こうした彼女の態度をとがめて言ったことを、その発言に至るまでの事情を加味せず被疑事実とするのは、本当に納得がいきません」
言い分は真っ向から対立したままだが、間違いなくいえるのはこのところ自衛隊で不祥事が頻発しているということだろう。座礁事故、大麻取締法違反での検挙、窃盗、暴行等々。2月9日発売の「週刊新潮」では、防衛力増強が叫ばれる中で揺れる自衛隊の現状、そして今回のパワハラに関する内部文書の全貌と、女性隊員側の反論を4ページにわたって特集する。