北川景子も広瀬すずもこんなはずじゃなかった…「冬ドラマ」は勝者なき異常事態 NHKの「民業圧迫」という指摘も
脚本家による私物化も影響
「『大病院占拠』(日テレ・土曜22時)は、鬼の面を被った謎の武装集団に占拠された大病院で、櫻井翔が演じる休職中の刑事が人質救出のため立ち向かうというストーリーです。一方、前出の日曜劇場『Get Ready!』では、妻夫木ら闇医師チームが患者の前では素顔を出さないよう仮面をつける……」
こうしたカブりは、放送曜日が後のドラマに影響を与えることが多いという。
「『6秒間の軌跡』や『Get Ready!』が思ったほど数字が伸びていないのも、その影響かもしれません。同じようなタイプのドラマが同じクールに放送されると既視感が出てきてしまうため、後の曜日にも影響しがちです」
既視感はないものの数字が取れないのがTBSの「夕暮れに、手をつなぐ」だ。デイリー新潮は「火10『夕暮れに、手をつなぐ』 神様・北川悦吏子×演技派・広瀬すずで苦戦のなぜ」(1月31日配信)で、低視聴率(第2話が世帯6・6%)の原因の一つとして、広瀬が演じるヒロイン・浅葱空豆(あさぎ・そらまめ)の不自然な九州弁のちゃんぽんを指摘している。
「第3話では5・9%とさらに下げました。やはり、空豆の言葉がわからないという声は根強いようです。また、脚本の北川悦吏子の娘がカメラマンとして活動していた当時の名前が“あさぎ空豆”であることが判明。ドラマの私物化を批判され、さらに評判を落としています」
まだある。「夕暮れに、手をつなぐ」にとって頭の痛い存在がNHKだという。
「ワタサバ」は迷惑
「火曜22時からは、豪華絢爛の男女逆転時代劇『大奥』が放送され、大きな話題となっています。それが終わると、22時45分から『ワタシってサバサバしてるから』が始まります」
「ワタサバ」は月曜から木曜に放送される15分ドラマだ。
「同名の漫画が原作で、お笑いタレントの丸山礼が主演。同枠で最高の視聴率だった『正直不動産』を初回から抜き好調です。『夕暮れに、手をつなぐ』にとっては、『大奥』と『ワタサバ』に連続で立ち塞がれた状態です。もちろん他の局にとっても、たった15分とはいえ金曜を除いた平日に放送しているので、10時台のドラマの終わり間際に割り込まれてくる。ブンブン飛び交う蠅のようで、正直言って迷惑しています」
もうひとつ、前評判が高かったわりにサッパリなのが、北川景子が主演の月9「女神の教室」だ。1月30日の第4話は世帯6・5%だった。
「月9枠としては史上最低に迫る低迷ぶりで、中村梅雀が主演のテレビ東京の連ドラ『機捜235×強行犯係 樋口顕』(金曜20時)よりも数字が取れていないこともある。法律家を目指す法科大学院(ロー・スクール)を舞台にしたドラマですが、会話の内容や授業のレベルが低くすぎてリアリティに欠けます。あれでは司法試験など受かりっこないという声が聞こえてくるほどです。脚本は『ラジエーションハウス~放射線科の診断レポート~』(フジ)の大北はるかですが、医療ものは得意でも法律ものは研究不足かもしれません。この2大看板ドラマのガッカリ感が、「silent」ロス族を中心に、今季ドラマへの“観たい力”を失わせているのではないでしょうか」
北川はNHK大河「どうする家康」で織田信長の妹・お市の方を演じて好評だが……。
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