「ルフィ」日本移送実況中継 タラップを上がる際に目に焼き付いた極悪詐欺師の”ふくらはぎ”
AM0815 空港でレムリヤ司法相の会見スタート
一方、空港にも早朝5時頃から50人ほどの報道陣が詰め掛けてきた。受付を済ませた社から搭乗口近くの待機室に案内される。前日、メディアには8時からレムリヤ司法相の記者会見があるとの案内が来ていたが、メディアの目的は会見よりも、今村・藤田両容疑者の姿を確認することである。
収容所前では二人を歩かせるなどして“晒して”くれなかったが、空港では撮らせてくれるに違いない。当初はそんな楽観論が出回っていたが、どこかの社が「ここでも晒さないみたいだ」と言い出すと、みなが窓に張り付き出した。
窓からはこれから二人が搭乗する9時40分発のJAL746便が見える。飛行機と搭乗口の間にはボーティングブリッジで結ばれていたが、それとは別に、機体と地上をつなぐタラップが設けられていた。「おそらく二人は地上から入れるに違いない」。誰かがそう口にすると、カメラマンたちは窓に張り付いた。
8時15分。白い民族衣装をまとったレムリヤ司法相が現れ、記者会見が始まった。
AM0915 今村・藤田両容疑者が搭乗
「これから今村と藤田を日本政府に引き渡す。渡辺と小島については、今日の裁判で告訴が棄却されたら明日引き渡す。日本の捜査員もそのために数名残る。今回の告訴は虚偽であった可能性が高く、今後はこういったことが起きないように対策を強化したい。日本とは犯罪引き渡し条約を締結していないが、今後は迅速に強制送還が執行できるよう、より緊密に協力していきたい」
会見が終わったのは8時45分ころ。その頃、JAL便前の地上には、日本の捜査員らしき数人が動線を確認するなど慌ただしく動いていた。まもなく二人が現れるに違いない。一般乗客も騒ぎに気づいていて窓から地上を覗き込んでいる。皆が固唾を飲んで見守るなか、とうとう“その時”がやってきたーー。
9時15分。視界の端から、先導の警察車両と2台の白いワンボックスカーが現れた。車列はゆっくり弧を描くようにJAL便へと向かっていき、タラップ前で停車した。
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