リブゴルフ選手に嫌がらせ? PGAツアーとの対立深刻化で噂される「奇妙な事件」の数々

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「ゴルフの戦いは、こうあるべきだ」

 そんなふうに開幕前も開幕後も「事件」続きだった大会だが、最終日の優勝争いは実に見応えがあった。

 首位を走っていたマキロイにリードが猛追をかけ、ついには首位に並んで先にフィニッシュ。マキロイは72ホール目でバーディーを奪えば優勝、パーならサドンデス・プレーオフに持ち込まれるところまで追い詰められた。おまけに、マキロイの第1打はラフに飛び込み、ペナルティエリアの赤線ギリギリの草の中に沈み込んでいた。

 しかし、そんなライの悪さをものともせず、マキロイはバーディーを奪って勝利。その戦いぶり、勝ちっぷりは圧巻だった。

「メンタル的に、これまでで最も厳しい戦いだった。リーダーボードに誰がいるかを考えると、思わず感情が溢れ出してしまいそうになるけど、その中でよくコントロールできたと思う」とマキロイはご満悦の様子だった。

 マキロイだけではない。リブゴルフへ移籍した代表選手のような存在のフィル・ミケルソンも、思わずこんなツイートをした。

「ロリーとパトリックの熱い戦いは素晴らしかった。ゴルフの戦いは、こうあるべきだ」

 その通り。アスリートなら、トップ・プレーヤーなら、正々堂々とゴルフで戦ってほしい。ゴルフそのものの勝ち負けなら、妙な噂をされることも、批判されることもない。

 選手が毅然とした態度や姿勢を貫いていれば、興味本位で語られる面白半分のストーリーはいつしか消えていくのではないだろうか。私はそう信じたい。

舩越園子(ふなこし・そのこ)
ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学客員教授。東京都出身。早稲田大学政治経済学部経済学科卒。1993年に渡米し、在米ゴルフジャーナリストとして25年間、現地で取材を続けてきた。2019年から拠点を日本へ移し、執筆活動のほか、講演やテレビ・ラジオにも活躍の場を広げている。『王者たちの素顔』(実業之日本社)、『ゴルフの森』(楓書店)、『才能は有限努力は無限 松山英樹の朴訥力』(東邦出版)など著書訳書多数。1995年以来のタイガー・ウッズ取材の集大成となる最新刊『TIGER WORDS タイガー・ウッズ 復活の言霊』(徳間書店)が好評発売中。

デイリー新潮編集部

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