肌着姿のままメイク最終調整 「ミス日本2023」ステージ裏の緊張と歓喜に密着

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「ステンレス製の食器棚を鏡代わりに」

 大会には予選を勝ち抜いたファイナリストとして13人が選ばれた。彼女たちが入室すると窮屈に感じるスペースに、さらに5、6人のスタイリストが加わり、登壇順にメイクの手直しをしていく。確かに「きれいになっている」はずだが、ファイナリストたちは落ち着かない様子だ。

 みな最後まで鏡で自身の姿を確認しないではいられない。待機場には大型の姿見は1面しかないため、多くのファイナリストたちは、互いに向き合い、メイクの最終調整をする。それでも不安なのか、待機場のすぐ隣に設けられた宴会場の厨房に出て、ステンレス製の大型の食器棚を鏡代わりに自身の姿を何度も見返す。しかし無情にも呼び出しの声がかかり、彼女たちは名残惜しそうにこちらを振り返りながら、ステージへと上がっていった。

 13人が緊張から解き放たれたのは、審査がすべて終わり、あとは結果の発表を待つだけとなってから。吉岡さんも審査後は「実はうちの給湯器が壊れていまして、現在、家族で近所のスーパー銭湯を渡り歩いている毎日。だからグランプリの賞金100万円をいただいたら、まず給湯器を買おうと思います」とすっかりリラックスした様子。いまどきの若い女の子に戻った感じだ。吉岡さんは、こう話した20分ほど後、グランプリを受賞。自宅の温かいお風呂にゆったり入れる日はもうすぐだ。

撮影・西村 純

週刊新潮 2022年2月2日号掲載

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