男性より女性に筋トレが必要な理由は? 要介護期間を短くするための「スマート・エイジング」実践術

ドクター新潮 ライフ

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より良い人生の後半戦のために

 ここまで、スマート・エイジングという考え方とその実践法について説明してきましたが、最後に改めて日本の現状を直視してみたいと思います。

 国連は、全人口の中で65歳以上の高齢者が占める割合(高齢化率)が7%を超えた社会を「高齢化社会」、14%超を「高齢社会」、21%超を「超高齢社会」と定義しています。この流れに沿えば、次の局面は28%超の社会ということになりますが、国連はまだそこまで言及していません。

 昨年9月時点で日本の高齢化率は29.1%に達しています。すでに日本は、定義の先を行く「超々高齢社会」に突入しているのです。そうした時代を生き抜くには、やはり誤用されているアンチ・エイジングではなく、スマート・エイジングの考え方こそが、より良い社会と、より良い人生の後半戦をもたらしてくれるはずです。

村田裕之(むらたひろゆき)
東北大学特任教授。1962年生まれ。東北大学大学院工学研究科修了。民間企業等の勤務を経て、2002年に中高年向け事業化支援等を行う「村田アソシエイツ」を設立。06年に同大特任教授に就任。高齢社会研究を続けている。『スマート・エイジング 人生100年時代を生き抜く10の秘訣』『シニアシフトの衝撃 超高齢社会をビジネスチャンスに変える方法』等の著書がある。

週刊新潮 2023年2月2日号掲載

特別読物「すでに日本は『超々高齢社会』に突入! 『要介護期間』を短くするための『スマート・エイジング』実践術」より

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