発売から40年超「ルービックキューブ」が再び大ブーム 発売元に訊いてわかった好調の理由
歴代3位の出荷数
――それはいつのこと?
板垣 2007年になります。この年のシリーズ累計出荷数は90万個で、初年度に続く第2位の記録になります。この時のヒットの要因は、脳トレーニング、いわゆる脳トレブームが到来し、脳に良いとされるクイズ本やグッズ、ゲームがヒットしたんですね。そんな中で、ルービックキューブも脳に良いのではないか、と、見直されるようになったのです。また、その前に、ルービックキューブを揃えるだけでなく、その速さを競う競技団体が誕生し、日本を含む世界中で大会が行われるようになったのも、要因の一つだと考えられています。
――そして今回、また再び。
板垣 その後また落ち着いたのですが、2020年度に60万個、2021年度には62万個、そして、まだ確定していませんが、今年度は70万個を超える見込みとなっております。確定すれば、歴代3位の出荷数となります。
攻略動画を制作
――ブーム到来の要因として何が考えられるのか。
板垣 さまざまな要因が重なってのことではないかと思いますが、まず、2020年がターニングポイントだったかと。この年、発売から40周年のアニバーサリーイヤーということで、さまざまなイベントや企画を考えていました。ただ、コロナ禍と重なり、なかなかリアルなイベントができなかった。それでも、盛り上げなければということで、公式サイトに、ルービックキューブの攻略動画を公開しました。これを見れば、誰でも全面揃えられるように、かなり丁寧に作ってみたんです。お陰様でかなりご好評いただきました。
――他には。
また、コロナ禍で、家に籠もる時間が増える中で、ルービックキューブに取り組んでみよう、という方も多かったようです。また、この年は、ルービックキューブの生みの親であるエルノー・ルービックさんの母国であるハンガリーの日本大使館ともコラボレーションさせていただき、ハンガリー大使館制作のルービックキューブを取り上げた動画も話題になりました。
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