「酷道」「廃道」をひた走る異色バラエティ「道との遭遇」 番組Pが明かす“低予算ローカル番組”が人気を博す理由

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ビックリするぐらいの視聴率も

 プレゼンがすんなり通り、企画を詰めていく中で“発見”したのが「酷道愛好家」として有名な鹿取茂雄氏や、「未成線・未成道研究家」の松村真人氏らだった。

「初めて“道マニア”の存在を知りました。ホームページや著書を見ると、道への熱意が凄いし、個性的。マニアの方たちも紹介できれば、トガって面白い内容になると思いました」

 実際、鹿取氏、松村氏ともその後頻繁に番組出演し、持ち味を発揮しまくっている。こうして個性的な一般人マニアが、個性的過ぎる道を紹介する番組が出来上がった。

 放送後の反応は想像以上だったという。

「間口がだいぶ狭いので、どこまでウケるかと思っていましたが、想像の倍ぐらい反応がありました。深夜に放送している東海地区の視聴率は満足できるものですし、番組を購入していただいて週末のお昼や夕方に放送してもらっている静岡地区や新潟地区では、数字は言えませんがビックリするぐらいの視聴率をとっています。単発で放送してくれている地方局さんもあります」

「道マニアの情熱が素晴らしい」

 ところで、昨秋の改編期を乗り越えて番組予算は増えた?

「低予算のまま変わりません(笑)。これからも今のテイストを維持しながら視聴者さんに広めていきたいです。深夜番組を作って長いですが、最も自信を持っている作品です」

 出演している道マニアには頭が下がる思いだ。

「始める前はネタが薄い回や酷い回もあるかもと考えていましたが、毎回ちゃんと面白い。マニアの方々の調査能力がすごくて、一番はそのおかげだと思っています。みなさん、疑問点は文書などをしっかり調べているんです。その情熱が素晴らしいです。もちろん、ミキの2人のMC力もあると思います」

 目の前にある道も、酷道や未成道につながっている。そう思うと見え方が変わってくる。当たり前の存在すぎて見過ごされがちな「道」に、優良なエンタメコンテンツになる道筋が見えてきた。

華川富士也(かがわ・ふじや)
ライター、構成作家、フォトグラファー。1970年生まれ。長く勤めた新聞社を退社し1年間子育てに専念。2022年からフリーで活動。アイドル、洋楽、邦楽、建築、旅、町ネタ、昭和ネタなどを得意とする。過去にはシリーズ累計200万部以上売れた大ヒット書籍に立ち上げから関わりライターも務めた。

デイリー新潮編集部

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