プロ野球「成績不振」でもなぜか“クビ”にならない選手は一体何が違うのか?
“守備の一芸選手”
一方で、捕手以外のポジションでも目立つことが少ないとはいえ、評価されやすいのは、守備力が高い選手だという。
「よく“一芸のある選手”は強いと言いますが、走攻守で分けた時に、生き残りやすいのは“守備の一芸選手”じゃないですかね。代打の切り札になるような選手は、もともとレギュラーだったケースが多いですし、足が速い選手はどんどんドラフトで入団してきます。ただ、守備は最初から抜群に上手いということはほとんどなく、プロ入り後に鍛えて、徐々に能力が向上していく。キャッチャーの育成と一緒で時間がかかるんですよね。ほかには、様々なポジションを守れる器用な選手も強い。レギュラーが難しければ、ユーティリティプレーヤーとして生き残るというのも、一つの道だと思います」(前出の編成担当者)
文末の一覧にある選手では、三好匠(広島)が、このタイプと言えるだろう。昨年までのプロ11年間で、一軍で放ったヒットは70本、通算打率は.188という数字だが、セカンドやサード、ショートを守ることができ、その高い守備力には定評があり、一昨年は11打数0安打にもかかわらず、64試合に出場しているというのは見事だ。
他の選手では、板山祐太郎(阪神)は、運動能力が高く、内外野を守ることができ、昨年限りで引退した熊代聖人(元西武)も、プロ通算108安打ながらユーティリティプレイヤーとして12年間プレーしている。彼らのようなベンチにいてくれると、チームとして助かるという選手も“生存能力”が高いと言えるだろう。
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