あなたも直ぐに拘束される…中国に絶対持ち込んではいけないモノ【元公安警察官の証言】

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 日本の公安警察は、アメリカのCIA(中央情報局)やFBI(連邦捜査局)のように華々しくドラマや映画に登場することもなく、その諜報活動は一般にはほとんど知られていない。警視庁に入庁以後、公安畑を十数年歩き、数年前に退職。一昨年、『警視庁公安部外事課』(光文社)を出版した勝丸円覚氏に、日本人ビジネスマンが中国に持ち込んではいけないものについて聞いた。

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 勝丸氏は警視庁を退職後、ビジネスで海外に行く人たちに向けた国別のセキュリティセミナーを開き、渡航先で暮らす上での注意点を伝授している。なかでも中国は、特に厄介な国だという。

 昨年のデイリー新潮「あなたも直ぐに拘束される…日本人観光客やビジネスマンが中国で絶対やってはいけないこと」(12月5日)で、勝丸氏はビジネスマンや観光客であっても、中国で気軽に写真や動画を撮影するとスパイ容疑で身柄を拘束される可能性を指摘した。実は、中国に入国する際、絶対やってはいけないことがあるそうだ。

DVDを必ずチェック

「今回は、特に中国に単身赴任する男性に聞いていただきたい話です」

 と語るのは、勝丸氏。

「ひとりで中国に行くとなれば、余暇を楽しむためにDVDを持って行く人は珍しくありません。中には、ついついわいせつなDVDを持って行く人もいるでしょう。実は、それで墓穴を掘る人が多いのです」

 中国の入国管理局は、DVDを入念にチェックするという。

「入管は荷物をX線で調べます。その際DVDらしきものがあるとわかると、『荷物を開けて』と言われます。そしてDVDがアダルトだったら関税法違反になるため、別室に連れて行かれて事情聴取されるのです」

 中国ではたとえモザイクが入っていても違法になる。日本とは事情が違うのだ。

「入管の職員は、パソコンやUSBも調べます。わいせつなDVDや画像が沢山あった場合は、その場で身柄を拘束されます。もっとも1、2枚程度のDVDなら身柄拘束されることはなく、後日、警察への出頭命令が出ます」

 ビジネスで中国に行ったものの、まさか出頭命令を待つ身になろうとは……。

「上司に『実は、入管でDVDが見つかってしまい出頭命令を待っています』と報告したら、『馬鹿野郎!』と言われてしまうのがオチです。これでは仕事どころではありません」

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