今もジャニーさんのブロックサインを思い出す……一人三役・錦織一清が語る舞台「サラリーマンナイトフィーバー」

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 少年隊で活躍した錦織一清(57)が脚本・演出・出演をつとめる舞台「サラリーマンナイトフィーバー」が、2月4日から12日まで東京・日本橋の三越劇場で上演される。昨年、地方で上演され好評だった舞台が、錦織が生まれ育った東京に錦を飾る。ジャニーズ事務所を退所して丸2年、舞台にかける思いを聞いた。(前後編の前編/後編を読む

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――「サラリーマンナイトフィーバー」は、うだつの上がらないサラリーマン(渋谷天笑=松竹新喜劇)が高校生の娘(惣田紗莉渚=元SKE48)の願いを叶えるため奔走する、笑いあり、涙あり、ダンスありの人情コメディーだ。元宝塚歌劇団トップ娘役・純名里沙らが脇を固める。その見所は?

錦織:正直言って、大きな事件とかは起こらないので、壮大なお話というわけではありません。男親と年頃の娘との絆であったり、何となく身近にありそうなテーマが見所だと思っています。今の時代背景をあまり飛躍せずに描きたかったし、市井に生きる人たちと関係のあるお芝居を作りたかった。もちろんハイライトとなるシーンもちりばめてはいるんですけど、小さなところにスポットライトを当てたことが面白さになっていると感じ取っていただけたらと思っています。

――錦織さんの役どころは?

錦織:かつてはサラリーマンであったであろうホームレスです。主人公に人生を諭すという、物語のヘソとなる役です。

――いわゆる、おいしい役?

サラリーマンの友人の一言

錦織:ま、そうですね! 第1幕は楽しいシーンが満載です。それが落ち着いて第2幕のラストに向かうあたり、つまり大人の芝居になっていく分岐点のような役割でしょうか。と言っても、脚本を書いた時点では自分がやるとは想定していなかったんですよ。だから照れくさい面もある。昨年の公演では、主人公が勤める会社の社長役を演じました。でも、社長役はどちらかというとゲスト的な役回りだったので、本当は僕が演じるべきではなかった。そこで今回は、この芝居で重要な役どころとなるホームレス役を、僕が演じることにしました。初めて三越劇場の板(舞台)を踏めるということもありますからね。

――今回の脚本は、あるサラリーマンの一言から始まった。

錦織:そもそもこの脚本を書こうと思ったのは、サラリーマンの友人が僕の舞台を見に来てくれたことがきっかけでした。芝居の後に一緒に飲みながら感想を聞くと、「演劇ってサラリーマンには敷居が高い感じがするけど、見始めれば面白い。ただ、サラリーマンが見に行こうと思うようなきっかけが欲しい。もう少し自分たちに身近な作品なら足を運びやすいのだが」と言われたことがずっと頭にあったんです。そこで、変にひねらずに、素直にサラリーマンを主人公にしたんです。

――とはいえ、錦織さんにサラリーマンの経験はない。

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