高梨沙羅はなぜ「スーツ違反失格」を繰り返すのか 「緩いスーツを選んだのは彼女自身で、コーチのせいではない」
国内開催の重圧から
とはいえ、1月のW杯は会場が蔵王。むしろ日本人に有利だったはずだが、国際スキージャーナリストの岩瀬孝文氏は、
「高梨選手ならではの責任感と、国内開催のための重圧からくる迷いもあり、ギリギリを狙っていたのだと察します」
と話す。実際、重圧がかかるのだろうが、ある元選手はこんな話を。
「ジャンプの選手は競技に際し、サイズが微妙に異なるスーツを4~5着用意するもので、1本飛ぶごとに別のスーツに着替えることもできます。今回、高梨選手は1本目のジャンプで着たスーツがセーフだったので、2本目で飛距離を伸ばすために、緩めでより浮力がつくスーツに着替え、違反になった。違反の可能性を認識しながら、絶対に勝たねば、というプレッシャーに屈したのです。違反を繰り返すのはコーチのせいではなく、彼女自身が判断した結果です」
きわどいところで勝負しているのである。だったら、試合後に記者会見を拒まず、自らそう訴えたほうがよかったのではないか。あるスポーツ紙の記者は、
「最近の高梨選手は、報道関係者や競技関係者に対し、強弁したり違背したり高飛車な態度をとったりしがち。彼女への風当たりが強まっているのを感じます」